記事・レポート
マーケティング・クリエイティブ最前線「宝島社の女性誌マーケティング」
~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~
更新日 : 2011年01月24日
(月)
第3章 プロモーションのアイデアはこうして生み出す
桜田圭子: 次に「PROMOTION」についてお話しさせていただきます。通常、雑誌のプロモーションは読者をターゲットにして行うことが多いと思うのですが、弊社では読者だけでなく、広告のクライアントさん、流通の書店さんや取次さんも対象にプロモーションを行っています。
まず「読者向け」にはテレビパブリシティに注力しています。お昼の情報番組から、NHK、そして関西のテレビ番組まで幅広くアプローチしています。最近では密着取材番組でもよく取り上げていただいています。なぜかと申しますと、やはり“モノ”をつけているので、そのモノが作られていく過程やストーリーを読者の方に知っていただくことで、商品に対する信頼性が高まるのではないかと考えているからです。
美容室を使ったプロモーションも行っています。女性の方はご存知かと思いますが、美容室では席に座ると「雑誌はいかがですか」と勧められます。このとき弊社の雑誌を一番上に置いていただくのです。美容室は全国に約20万店舗、コンビニエンスストアの5倍近くの店舗数があります。美容室を読者ととらえてプロモーションを行ったり、このような、読者により近いコンタクトポイントも積極的に活用しています。
「どうやってテレビパブリシティにつなげるのか」という疑問をお持ちの方も多いと思います。それを私たちは常に意識しているのですが、『sweet』が100万部を突破したときの実際のプロモーションを例にお話しします。
PR企画を考えるとき、話題を作るためにはどういった要素が必要なのかというところから企画を考えます。『sweet』のときは昨年(2009年)12月に六本木ヒルズアリーナで「日本ファッションリーダーアワード」を実施しました。このアワードは、カジュアルファッションのさらなる普及を目的に創設したのですが、ただ単にタレントさんを呼んで表彰するだけでは、『sweet』100万部の話題として結びつかないと思いましたので、このときは100万部にかけて100万mlの巨大シャンパンボトルをつくって舞台上に置きました。翌日のテレビ番組では「日本ファッションリーダーアワード」を紹介するニュースの中で、「『sweet』の100万部を記念した、100万mlのシャンパン」という紹介がなされ、きちんとこちらの伝えたいメッセージが伝わったと思います。
今年(2010年)の8月に『sweet』を107万部発行することが決まり、次のPRはどうしようかと悩みました。ただ、『sweet』読者は購買欲も高く、お買い物が大好きな方々ですので、何かショッピングに絡めて企画を考えたら面白いのではないかと思い、今度は無料ショッピングバスを企画しました。8月14日と15日、お盆休みで賑わう原宿と表参道をつなぐシャトルバスを走らせ、読者のお買い物のお手伝いができればと考えました。
しかし、これもただ単にシャトルバスを走らせるのでは面白くないので、乗客がテーマパークのアトラクションに乗っているような感覚を楽しめるように考えました。車内でオリジナルの『sweet』ラジオをつくって流したり、乗車券のかわりに『sweet』のハート型うちわを配ったり、バスにも付録ということで、お帰りの際にブランドアイテムのお土産をお渡ししました。相手の方が期待以上のものを得られるように、常に気を配って企画をしています。
また、企画はPRを目的としているので、この企画が一言で言えるかどうかという点をまずは考えます。例えばこのときであれば、「『sweet』が無料お買い物バス」など、一言で言い表せるかどうかを基準に検討します。判断基準は、Yahoo!のトピックスになるか、テレビのヘッドラインになるかどうかという点です。そういう企画にするために、毎回みんなでアイデアを出し合っています。
まず「読者向け」にはテレビパブリシティに注力しています。お昼の情報番組から、NHK、そして関西のテレビ番組まで幅広くアプローチしています。最近では密着取材番組でもよく取り上げていただいています。なぜかと申しますと、やはり“モノ”をつけているので、そのモノが作られていく過程やストーリーを読者の方に知っていただくことで、商品に対する信頼性が高まるのではないかと考えているからです。
美容室を使ったプロモーションも行っています。女性の方はご存知かと思いますが、美容室では席に座ると「雑誌はいかがですか」と勧められます。このとき弊社の雑誌を一番上に置いていただくのです。美容室は全国に約20万店舗、コンビニエンスストアの5倍近くの店舗数があります。美容室を読者ととらえてプロモーションを行ったり、このような、読者により近いコンタクトポイントも積極的に活用しています。
「どうやってテレビパブリシティにつなげるのか」という疑問をお持ちの方も多いと思います。それを私たちは常に意識しているのですが、『sweet』が100万部を突破したときの実際のプロモーションを例にお話しします。
PR企画を考えるとき、話題を作るためにはどういった要素が必要なのかというところから企画を考えます。『sweet』のときは昨年(2009年)12月に六本木ヒルズアリーナで「日本ファッションリーダーアワード」を実施しました。このアワードは、カジュアルファッションのさらなる普及を目的に創設したのですが、ただ単にタレントさんを呼んで表彰するだけでは、『sweet』100万部の話題として結びつかないと思いましたので、このときは100万部にかけて100万mlの巨大シャンパンボトルをつくって舞台上に置きました。翌日のテレビ番組では「日本ファッションリーダーアワード」を紹介するニュースの中で、「『sweet』の100万部を記念した、100万mlのシャンパン」という紹介がなされ、きちんとこちらの伝えたいメッセージが伝わったと思います。
今年(2010年)の8月に『sweet』を107万部発行することが決まり、次のPRはどうしようかと悩みました。ただ、『sweet』読者は購買欲も高く、お買い物が大好きな方々ですので、何かショッピングに絡めて企画を考えたら面白いのではないかと思い、今度は無料ショッピングバスを企画しました。8月14日と15日、お盆休みで賑わう原宿と表参道をつなぐシャトルバスを走らせ、読者のお買い物のお手伝いができればと考えました。
しかし、これもただ単にシャトルバスを走らせるのでは面白くないので、乗客がテーマパークのアトラクションに乗っているような感覚を楽しめるように考えました。車内でオリジナルの『sweet』ラジオをつくって流したり、乗車券のかわりに『sweet』のハート型うちわを配ったり、バスにも付録ということで、お帰りの際にブランドアイテムのお土産をお渡ししました。相手の方が期待以上のものを得られるように、常に気を配って企画をしています。
また、企画はPRを目的としているので、この企画が一言で言えるかどうかという点をまずは考えます。例えばこのときであれば、「『sweet』が無料お買い物バス」など、一言で言い表せるかどうかを基準に検討します。判断基準は、Yahoo!のトピックスになるか、テレビのヘッドラインになるかどうかという点です。そういう企画にするために、毎回みんなでアイデアを出し合っています。
マーケティング・クリエイティブ最前線「宝島社の女性誌マーケティング」 インデックス
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第1章 マーケティングの重要性に気づいた3つの出来事
2011年01月20日 (木)
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第2章 「マーケティング会議」の導入で部数が伸びた
2011年01月21日 (金)
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第3章 プロモーションのアイデアはこうして生み出す
2011年01月24日 (月)
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第4章 電子書籍より、約58,000店の出版流通を活かす
2011年01月25日 (火)
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第5章 企画のポイントは「期待以上&一言」
2011年01月26日 (水)
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第6章 マーケティングの3大ポイント
2011年01月27日 (木)
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第7章 会議は発言自由、即断即決、持ち越しナシ
2011年01月28日 (金)
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第8章 みんなが持っている物は“ブランド”か?
2011年01月31日 (月)
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第9章 「ぜひ、まねてください」
2011年02月01日 (火)
該当講座
宝島社の女性誌マーケティング
~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~
桜田 圭子(㈱宝島社 マーケティング本部広報課長)
西川 英彦(法政大学教授)
今回のマーケティング・クリエイティブ最前線では、新しい発想で快進を続けて注目を集めている宝島社にクローズ・アップします。
付録付雑誌だけでなく、美顔器を書店で販売して大ヒットさせるなど、従来の常識を覆すマーケティング戦略で注目を集める同社の発想の源にあるものとは?進化を続ける宝島社の好調の秘密に迫ります。
"最前線"講座
マーケティング・PR 経営戦略
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