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安藤忠雄「チャンスを逃すな」

日本はもう絶望的な状態……か?

日本元気塾建築・デザイン
更新日 : 2010年12月02日 (木)

第3章 徹底的な対話からチャンスを見出す

安藤忠雄氏

安藤は「対話がチャンスをつくる」と言う。日本は会議が多いが、真剣な討議になることは少ない。特にトップが出席するとうつむいてただ聞くだけ。「中国人の会議は違う」という。たとえ市長がいても遠慮などしない。大声で徹底的に討論する。それが6時間くらい続くことも珍しくない。さしもの安藤もクタクタになるという。「我々も、チャンスを見出すためには、きっちりと対話する訓練を積まなければいけない」。

安藤の事務所では対話の訓練をする。アルバイトに来る学生たちに「ともかく自分の考えをしっかりしゃべってくれ」と安藤は言う。疑問点があれば、徹底的に質問して納得してから仕事をしろ。そして、自分の意見を言い、想像力を働かせて仕事をせよ、と。

「彼らは建築の仕事のスタートラインに立っている。だから、1日2時間、仕事中に建築の歴史の本などをしっかり読んでもらいます。1週間に3日、計6時間読んで1カ月たつと、かなり自分の意見を話せるようになる」。これはどの仕事にも通ずることだろう。
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安藤忠雄:チャンスをつくる  
安藤忠雄 (建築家)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

関東大震災後、現在の東京の都市骨格を形作ったと言われ、医師であり都市計画家でもある後藤新平氏の生誕150周年を記念して一昨年創設された『後藤新平賞』。本年、その国内外における多様な建築と、『瀬戸内オリーブ基金』『海の森募金』など環境に対するビジョン・実践力が後藤氏と通ずるということで、建築家・安藤忠....


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