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ニッポンをもっと元気にする!「日本元気塾」に奥山清行氏が登場!

更新日 : 2010年08月18日 (水)

第4章 肩書きはいらない。個人の魅力でつき合おう

米倉誠一郎(左)奥山清行(右)

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奥山清行: 世の中を見ていて思うのは、例えばフランス人は中国文化や日本文化をすごく評価してくれます。でも、心の中では「フランスが世界一」と思っているんです。イギリス人なら「イギリスが一番」。イタリア人なんか露骨に「イタリアが世界一だ!」と思っているから、イタリア料理しか食べないし、イタリアの服しか着ない。

ところが日本だけは、先進国で文化的にも発達しているのに「世界のもののほうがいい」と心底思ってきました。でもようやく今、自国の文化を評価する時期に来ているんじゃないかなという気がしています。

僕は3年前にイタリアから日本に帰ってきましたが、当時は「フェラーリをデザインしていた人が、どうして日本で鉄瓶つくったり、家具つくったりしてるの?」って聞かれたんですけれど、今はそういうことはなくなりました。日本発のブランドや奥深い日本文化の商品をつくっていることを、皆さん、すごく評価してくださっています。日本が“普通”の成熟社会になってきたんだと思います。

ただ、日本には悪い癖があって、振り子が振れると反対側にドドッといっちゃう。そうなると「日本がいい!」って、いきなり懐古趣味じゃないですけれど、そっちにいっちゃうんですよ。自然な形で自国の文化を評価して、同時に海外のものも評価すればいいんだけれど、日本ってガーッといっちゃうので、そうならないようにしないと。

米倉誠一郎: そうですね。それにしても日本は、基軸も自信もなくなっていますね。勢いを持ってほしいんです。先日、天安門広場に行ったのですが、そこの北京飯店の1階はアフリカ人でごった返していました。「今がチャンスだ」と、中国に資源を売りに行っているんです。ロシア人も韓国人もいました。けれど日本人は旅行者ばかり。「ここはただの観光地じゃないぞ、世界のビジネスの中心だぞ」と思いました。

日本人は自信をなくしているから、ますます世界に出ていかなくなっているんです。これは、かなりまずいと思います。

奥山清行: 確かに、まずいと感じますね。特に、ここ1、2年。

もう1つ。日本人は会社や団体を前面に出して、個人というものを出さないじゃないですか。個人を出すことは悪いことだといまだに思われていますよね。欧米では、先ず個人と個人のつき合いがあって、その後ろに所属しているチームや会社があるという順番です。

だからパーティで自己紹介するときに、いきなり名刺を出して「ここの会社の者です」なんて絶対に言いません。「また会いたいな」と思う人には、帰りがけに名刺をさり気なく渡すんです。そのときはじめて「ああ、あの会社の人だったんだ」とわかる。

このほうが格好いいし、個人の魅力から始まる“個人対個人”のつき合いというのは、やっぱり強いんです。それに「自分の能力を会社に提供している」というプライドもあるから、会社とも対等な関係です。日本人はそれがすごく下手。「私は何々会社の者です」というのを最初に出すというのは逃げですよ。

米倉誠一郎: 塾には会社の肩書きなしで、個で話せる人に来てほしいですね。今日はありがとうございました。日本元気塾、よろしくお願いします。

奥山清行: こちらこそ、よろしくお願いします。(終)

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