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ニッポンをもっと元気にする!「日本元気塾」に奥山清行氏が登場!

更新日 : 2010年08月18日 (水)

第1章 企業と大学教育のミスマッチを打破したい

『日本元気塾』はこの夏、第2期生の募集を開始するにあたり、新たな講師としてフェラーリから鉄瓶へ活躍の場を移した奥山清行氏を迎えます。山形から世界に通用するものづくりを手掛ける氏は、分刻みのスケジュール。そんななか、長期人材育成プログラムに挑む理由とは?米倉誠一郎塾長が迫ります!

2010年6月24日実施:日本元気塾対談
奥山清行(工業デザイナー/KEN OKUYAMA DESIGN 代表)
米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

米倉誠一郎(左)奥山清行(右)

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米倉誠一郎: フェラーリから鉄瓶へ活躍の場を移した奥山清行さんが、日本元気塾の講師に新たに加わってくれることになりました。そこで今日は奥山さんに、引き受けた理由や、やりたいこと、外から見た日本の姿などについて伺いたいと思います。

さっそくですが、まずは引き受けた理由から。分刻みのスケジュールのなか、アカデミーヒルズからの依頼をよく引き受けてくれましたね。

奥山清行: 日本の教育に対して、すごく疑問に感じていたことがあるんです。大学は職業訓練の場にもなっていないし、一般教養を学ぶ場としても中途半端な教育機関になっているんじゃないかと。じゃあ専門学校が職業訓練校になっているかというと、これもなっていない。だから学生も困っているし、企業も困っているし、社会に出た人たちもやっぱり困っている。こういう状況を打破したかったんです。ゲリラ的にでも風穴を開けられればいいなと思って。

かつては企業内で社員教育が行われていたじゃないですか。デザイン部に入ってもトレーニングとして工場に行かされたり、販売の現場に行かされたり、会社中の部署を回された。これって実は素晴らしいことなんですよ。僕は今、お金を払ってでも受けたいと思うほどです。

ただ、これをアメリカ的な全体効率から見ると、無駄にしか過ぎなかったりします。高い給料を払って大学から連れて来た即戦力になる人間を、現場に半年間送り込んで専門とは違うことをやらせるわけですから。でも日本の持つ力、企業力というのは、そういうところからできたと僕は思っているんです。それこそ金融界などは、社内の留学制度で海外に人をたくさん送ったじゃないですか。そういうことをやってきた人って、伸びますよね。

米倉誠一郎: 海外に行って、帰国後、自分で会社を興した人はすごく多いです。

奥山清行: これは日本が誇るべきものですよ。今は終身雇用が崩壊して、企業内でそういうことをやる余裕がないのはわかります。でも外部の教育機関がその後釜になっているかというと、残念ながらなっていない。

社会人になってはじめて「あのとき、あれを勉強しておいてよかったな」とか「勉強しておけばよかった」って、わかることがあるじゃないですか。僕自身がそうなので、そのときに戻れる何かがあるとすごくいいなと思ったんです。

米倉誠一郎: 確かにそうですね。そういう意味で日本元気塾が面白いのは、「卒業証書は自分自身だ!」というところです。塾を通して全く分野の違う人たちや新しい思考と出会い、自分自身をジャンプアップさせています。

1期ではいろいろな人が出ました。例えば米倉塾には、まいたけで有名な会社の取締役がいましたが、バングラデシュに連れて行ったら「どうしてもここでモヤシをやりたい」と言い出したんです。それですぐにムハマド・ユヌスさんに会って話したところ、即決だったそうです。ほかにも、海外青年協力隊に入ってアフリカの南東部にあるマラウイ共和国という最貧国の1つに行った人もいます。髙島塾ではブランドをつくる企画をスタートさせた人が、藤巻塾では転職して藤巻商店で扱っている商品の会社に入った人がいます。

奥山清行: 行動力がありますね。

米倉誠一郎: そうなんです。行動してもらわないと、意味がありません。

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