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住職に学ぶ、集中力を高める方法

~六本木で煩悩リセットいたしませう~

更新日 : 2010年02月04日 (木)

第5章 直感はたいがい正しい。迷うほど間違う

小池龍之介氏

小池龍之介: あれこれと迷うのもとても刺激的なんです。迷いはじめると、その間何もしません。有益なことは何もできないのです。さらに、ストレスがたまるのです。心がノイズに振り回されるので、情報処理がめちゃくちゃになって苦痛が生じる、疲れてくるということが生じます。

迷った方が得だと思っているから、迷っているのです。「しばらく迷うと、より有益な答えが見つかるかもしれない」と考え、何時間も考えてしまうのです。でも、それはとても無意味です。なぜなら、迷っているという時点で、両者に本質的な差はそんなにないからです。

本質的な差がドーンとあったら、そんなに迷いません。若干の差はあるけれど、それは僅差で、どちらかの条件がどうこうというところで迷っているのがほとんどです。そうしているうちに非常に気疲れして、何もしない時間が過ぎていくのが果たして有益かどうかということです。

例えば、転職するかどうか、いつまでも迷い続ける。するとその間は、ノイズが心に走っていて何もしていないのです。ストレスもたまります。ストレスがたまると、もっと判断力が鈍ります。

サッと最初に出した結論と、数カ月も迷って考えた挙句に出た結論——どちらが正解に近いかというと、実は最初に出した結論の方が正しかったりするのです。というのは、数カ月間も考えてイライラして、疲れ果てて決めた結論というのは、判断を誤らせることがあるからです。こうしたジレンマに陥らないためには、迷いはじめた段階で「あっ、苦しみが生じている」と思うことです。

いつまでも迷いつづける本当の理由は、あれこれ迷うと刺激が発生するからです。それを心が喜んで、クセになっているのです。その感覚にハマってしまうと、判断を誤ってしまうだけではなくて、失敗するのです。

仕事がギリギリにならないと手をつけられない人がいます。こういう人はギリギリの時間になるまで心があれこれさまよっていて、100秒中50秒どころか、100秒中95秒ぐらい何もしていません。そして時間が迫って追い詰められると強い刺激が発生して、心が乱れてうるさい状態になります。この状態を何とかしたいと思って、がむしゃらに頑張ります。そして、やっつけ仕事でとにかく終わらせる。終わらせると、強烈な苦しみがパッと消える——そこに落差が生じます。それはたまらない刺激で、これを「快楽」の刺激として心は認知します。これが人間が幸せだと感じる構造です。

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小池龍之介
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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