記事・レポート
カフェブレイク・ブックトーク「心に沁みることばの数々」
~決意を促す言葉、気が利く言葉~
更新日 : 2009年11月12日
(木)
第3章 生き方一般、そしてその基盤あるいは背景にかかわることば
澁川雅俊: 以下では職業や仕事も含め、人の生涯を通して得られた心に沁みる、あるいは感動させることばを扱っている本について語ります。またここには人の生き方や生き様と切っても切り離せない自然、あるいは天体・地文・気象などにかかわる名言も含まれています。
まず手軽なものとして、『世界の名言100選-ソクラテスからビル・ゲイツまで』と『賢者の知恵 名言の知恵』(いずれもPHP研究所)を挙げます。いずれも人生一般を越えて、自然の理、仕事や労働についてのことばの数々をおさめていますが、前者は副題の示すように歴史的な人物を含めて世界の各界の偉人および著名人たちの遺した名言を学識者が編纂したもので、例えば名言中の名言「我思う、故に我あり」(cogito, ergo sum:デカルト)など確立したことばが多く収められています。後者はジャーナリストが自らインタビューした現代の著名人、主に海外の著名人たちの吐いた名言を集めています。ただ現代人の語ったことばということで、名言に至らずいささか生煮えのことばも連ねられています。
なお『この哲学者を見よ-名言でたどる西洋哲学史』(中央公論新社)は、西洋哲学者たちの思索の結果として到達した人生の奥深いところにかかわる名言の数々が挙げられ、わかりやすい解説が添えられています。またサスペンス小説作家の森村誠一がまとめた『忘れかけていた人生の名言・名句』(角川春樹事務所)や小説や映画のセリフから選んだ『あなたに遺したかった48の言葉』(春日出版)などは手軽な読み物でもあります。
個別的な哲学者や文学者たちの深遠な考察の結果に到達した名言の数々を編集したものもあります。例えばよく知られたものでは、ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』(PHP研究所)、現代フランスの『アランの幸福論』(ディスカヴァ-・トゥエンティワン)、『オグ・マンディーノ 人生を語る-偶然を奇跡に変える17のルール』(ダイヤモンド社)などが典型的なものでしょう。
ところでマンディーノの本には「偶然を奇跡に変える17のルール」、つまりここにも「法則」がでてきます。例えばルール1「恵まれている点に目を向ける」、2「給料以上の働きをする」、3「過去の失敗や不幸を引きずらない」などなどが順次挙げられています。それらは名言というより戒めのことば、あるいは日頃の行動の標語のようなものですが、時と所を得れば、存外重みが感じられることばになります。これと評判になった多くの小説を書きながらも破滅的な人生を、しかも心中という形で終えた太宰治の『生まれてすみません-太宰治一五〇の言葉』(PHP研究所)を比較してみるのも一興です。
名言は世界中いたるところに
例えば『ローマの名言一日一言-古の英知に心を磨く』(致知出版社)と『中国名言集-一日一言』(岩波書店)のように、私たちが受け継いできている名言の多くは、その出自を尋ねると古代ラテンの世界や中国などのものが多いようです。しかし『世界の故事・名言・ことわざ総解説』(自由国民社)などを見ると世界各国にそうしたことばがあることがわかります。
わが国の出版でありながら英語で表記されている名言集もあります。『テーマ別英語ことわざ辞典』(東京堂出版)は世界の(といってもやはり英米のものが多いのですが)生活の知恵や・教訓を分類して編集されていて、例えば「蛙の子は蛙」を英語で何というんだろう、などというときに便利です(ちなみにそれは“Eagles do not breed doves.”)。また『英国名言に生きる』(PHP研究所)は、スパイスの効いたことばの数々が集められています。この中にウィンストン・チャーチルの“It is a good thing for an uneducated man to read books of quotations.”(「教育を受けなかった者は、名言集を読むがよい」)を見つけて、修業時代に出入りした英米の公共図書館のレファレンス・ルームにはたくさんの名言集が配架されていたのを思い出しました。
●人生の機微の真骨頂をつかんだ人たちの名言集
まず手軽なものとして、『世界の名言100選-ソクラテスからビル・ゲイツまで』と『賢者の知恵 名言の知恵』(いずれもPHP研究所)を挙げます。いずれも人生一般を越えて、自然の理、仕事や労働についてのことばの数々をおさめていますが、前者は副題の示すように歴史的な人物を含めて世界の各界の偉人および著名人たちの遺した名言を学識者が編纂したもので、例えば名言中の名言「我思う、故に我あり」(cogito, ergo sum:デカルト)など確立したことばが多く収められています。後者はジャーナリストが自らインタビューした現代の著名人、主に海外の著名人たちの吐いた名言を集めています。ただ現代人の語ったことばということで、名言に至らずいささか生煮えのことばも連ねられています。
なお『この哲学者を見よ-名言でたどる西洋哲学史』(中央公論新社)は、西洋哲学者たちの思索の結果として到達した人生の奥深いところにかかわる名言の数々が挙げられ、わかりやすい解説が添えられています。またサスペンス小説作家の森村誠一がまとめた『忘れかけていた人生の名言・名句』(角川春樹事務所)や小説や映画のセリフから選んだ『あなたに遺したかった48の言葉』(春日出版)などは手軽な読み物でもあります。
●思想家・文学者たちの個別的な名言
個別的な哲学者や文学者たちの深遠な考察の結果に到達した名言の数々を編集したものもあります。例えばよく知られたものでは、ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』(PHP研究所)、現代フランスの『アランの幸福論』(ディスカヴァ-・トゥエンティワン)、『オグ・マンディーノ 人生を語る-偶然を奇跡に変える17のルール』(ダイヤモンド社)などが典型的なものでしょう。
ところでマンディーノの本には「偶然を奇跡に変える17のルール」、つまりここにも「法則」がでてきます。例えばルール1「恵まれている点に目を向ける」、2「給料以上の働きをする」、3「過去の失敗や不幸を引きずらない」などなどが順次挙げられています。それらは名言というより戒めのことば、あるいは日頃の行動の標語のようなものですが、時と所を得れば、存外重みが感じられることばになります。これと評判になった多くの小説を書きながらも破滅的な人生を、しかも心中という形で終えた太宰治の『生まれてすみません-太宰治一五〇の言葉』(PHP研究所)を比較してみるのも一興です。
名言は世界中いたるところに
例えば『ローマの名言一日一言-古の英知に心を磨く』(致知出版社)と『中国名言集-一日一言』(岩波書店)のように、私たちが受け継いできている名言の多くは、その出自を尋ねると古代ラテンの世界や中国などのものが多いようです。しかし『世界の故事・名言・ことわざ総解説』(自由国民社)などを見ると世界各国にそうしたことばがあることがわかります。
わが国の出版でありながら英語で表記されている名言集もあります。『テーマ別英語ことわざ辞典』(東京堂出版)は世界の(といってもやはり英米のものが多いのですが)生活の知恵や・教訓を分類して編集されていて、例えば「蛙の子は蛙」を英語で何というんだろう、などというときに便利です(ちなみにそれは“Eagles do not breed doves.”)。また『英国名言に生きる』(PHP研究所)は、スパイスの効いたことばの数々が集められています。この中にウィンストン・チャーチルの“It is a good thing for an uneducated man to read books of quotations.”(「教育を受けなかった者は、名言集を読むがよい」)を見つけて、修業時代に出入りした英米の公共図書館のレファレンス・ルームにはたくさんの名言集が配架されていたのを思い出しました。
カフェブレイク・ブックトーク「心に沁みることばの数々」 インデックス
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第1章 心に沁みることばの数々
2009年10月21日 (水)
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第2章 まず、ビジネスにかかわる名言集
2009年10月30日 (金)
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第3章 生き方一般、そしてその基盤あるいは背景にかかわることば
2009年11月12日 (木)
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第4章 わが国に広まっている名言の多くは中国から渡来
2009年11月25日 (水)
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第5章 これも名言か?
2009年12月04日 (金)
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