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iPad登場後の出版社のデジタル戦略とは?

電子雑誌にいち早く対応した、コンデナスト社の真意と今後の展望

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2010年11月29日 (月)

第9章 「オウンドメディア万歳」の風潮に潜んでいるリスク

神原弥奈子氏(左)田端信太郎氏(右)

会場からの質問: コンデナスト社とお付き合いのあるラグジュアリーブランドが独自のメディアを作って、コンデナスト社を利用しなくなることも考えられると思うのですが、それに対してはどういうアクションをとっていくお考えですか。

田端信太郎: そういうことは本当にあり得ますね。どういうアクションをとるかですが、クライアントとの間ではっきりした知識の差、ノウハウの差をつくり続けていくしかない。そういった会社の新規プロジェクト立ち上げのコンサルを務められるぐらいじゃないとだめでしょうね。

神原弥奈子: 広告主さんがどんどん自社メディアを成長させていくというのは、これからの大きな流れですね。

田端信太郎: ただ、今の「オウンドメディア万歳」の風潮には釘を刺したい気持ちがあるんです。そもそもメディアをやるとしても、広告主側の予算感覚は、景気がよかったら金額は増やすけど、悪くなったら「今年で打ち切りね」という感じじゃないですか。その時間感覚では、オウンドメディアは真のメディアブランドになれないと思うんです。

それにユーザーサイドは、発信されているものが本当に信頼できるかどうかを無意識に感じ取るセンサーが、集合体としてみると非常に発達しているんです。

オウンドメディアは、よほどセンスのある人が高い倫理観を持って、ものすごい覚悟でつくらないとうまくいきません。魂が入っていない人がサラリーマン気分でつくると「これって提灯記事じゃん。ただの広報サイトだね」と言われるリスクがあるんです。

ただし、メディア運営を実体験としてお持ちの企業が広告主サイドに増えていくというのは、メディア企業としては、非常にやりにくい、というか手ごわい面もあります。お客さんのほうがよっぽど真剣に考えていますから、ちょっとでも気を抜くとメディアのほうが置いてきぼりにされるでしょうね。(終)
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該当講座

~iPad登場後の出版社のデジタル戦略を考える~

iPadにいち早く対応したコンデナストの真意と今後の展望

~iPad登場後の出版社のデジタル戦略を考える~
田端信太郎 (LINE株式会社 執行役員 広告事業グループ長)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

田端 信太郎(コンデネット・ジェーピー カントリーマネージャー)
iPadやAmazonのキンドルなど、デジタル化の波に出版業界を取り巻く環境が大きく変化しています。米国でのiPad発表と同時に、iPad対応の雑誌「wired」を発表し、一早く電子雑誌の世界に名乗り上げたコンデナスト社。今回は、そのコンデナスト社のデジタル戦略やiPadへの取組み、日米の出版業界のビジネスモデルの違いなど田端氏にお話頂きます。


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