記事・レポート
己を耕し、日本を知り、世界に挑め
日本元気塾 第1期 レビュー座談会
日本元気塾
更新日 : 2010年08月04日
(水)
第4章 日本の良さで世界に挑め!
米倉誠一郎: どの塾を選んでもいい。でも3つの塾に共通しているのは、「日本のいいもので世界に打って出るんだ!」という志のある人に来てほしいってことです。
髙島郁夫: 確かに、それはありますね。
米倉誠一郎: 今の若い人は内向きで、世界に出て行こうとしない。例えば、邦画の興行収入が伸びているから「日本の映画はすごい」と思うかもしれないけれど、映画全体の興行収入は増えていない。決まった枠数の中で、日本映画の割合が増えていて、外国映画を見るチャンスが減っているだけ。世界には全然違うものがある。日本というぬるま湯の中で楽しいというだけではダメ。
藤巻幸夫: それはやめてほしいですよね。
米倉誠一郎: 米倉塾では1期の有志でバングラデシュに行きましたが、2期でも行きますよ。そうすることで違う視点が得られるんです。今、インド人も中国人も、日本をすごいと思って見ています。そういう視点は内側にこもっていたんじゃわからない。
髙島郁夫: そうなんですよ。外国の人のほうが、日本はすごいと思ってる。
米倉誠一郎: 夜中の12時過ぎに繁華街の裏道を歩いても怖くない。こういう都市は、海外にはもうないんじゃないかな。
藤巻幸夫: 安全安心の国。
米倉誠一郎: 日本には本当にいろいろなポテンシャルがある。
髙島郁夫: そのポテンシャルを間違って「ようこそ、ジャパン」に持っていかないこと。芸者、フジヤマとか(笑)。
藤巻幸夫: そういうの、日本の空港のお土産コーナーによくありますよね(笑)。今、もっとひどいことになってます。間違った日本を評価してるんですよ。歌舞伎座だって、あんなにいい建物を壊してビルにしちゃうし。また1つ、日本の文化遺産が失われる。今、百貨店も存続があやしくなってますけど、1つ国が買い取って国営の「日本百貨店」にして、テナントに民間で活躍した人を入れればいい。
髙島郁夫: それで、日本の本当にいいものを集める。
藤巻幸夫: そう。全部集めたら、目利きが集まって最高じゃないですか。1階では今週は寿司フェア、来週はスイスフェアとかなんだけど、全国の農家と組んで全部日本のものでやるの。2階には竿があったり。
髙島郁夫: 3階には着物に関するありとあらゆるものがバチッとそろえてあって、櫛の本当にいいやつがズラーッとあったりするものいいですね。
藤巻幸夫: そういうの、かわいいでしょう。「2階はヤング」とか「3階はミセス」とかじゃなくて、生活が楽しくなるフロア。
米倉誠一郎: 伊万里焼とかも並べたい。
髙島郁夫: 日本にはいっぱい、いいものがあるのに、日本人が日本のことを知らなかったりしますから。
米倉誠一郎: 最後に、2期に向けての意気込みを一言。まだ見ぬ塾生さんに向けて。
藤巻幸夫: 日替わりスターをつくる。「君も1年間のうちに1日か2日、スターになれる日がある。光り輝こうぜ!」みたいな。一瞬輝くだけで、人は元気になれるんだから。
米倉誠一郎: 髙島さんは?
髙島郁夫: 「日本も捨てたもんじゃないぞ」。
米倉誠一郎: でも、髙島さんは香港に移住するんでしょ?(笑)。
髙島郁夫: “Discover Japan from Global.” ですよ。世界に出ることで、日本の価値がいろいろ見えてくるんです。
米倉誠一郎: 僕は、“訳のわからない人”に来てほしい。こっちも訳のわかったようなことは話さない。世の中、訳がわからないというのが面白いんだということを一緒に探求したい。
日本元気塾にはカリキュラムもなければ、この3人が今後どういうライフスタイルをとるかもわからない、だからふたを開けてみなければどんな形になるのかわからない。そこがこの塾の面白いところです。2期では奥山さん(奥山清行/工業デザイナー・株式会社KEN OKUYAMA DESIGN代表)が加わって、ますます面白くなりますよ。来期もよろしくお願いします。
髙島郁夫&藤巻幸夫 よろしくお願いします。(終)
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