記事・レポート
己を耕し、日本を知り、世界に挑め
日本元気塾 第1期 レビュー座談会
日本元気塾
更新日 : 2010年08月04日
(水)
第3章 寄り道でブレイクスルー
米倉誠一郎: それにしても1年間、本当によくやりました。
藤巻幸夫: とりあえず松下村塾は抜いた(笑)。吉田松陰が教えたのは1年だけ。
米倉誠一郎: 3人とも忙しい中、よく頑張った。
髙島郁夫: なのに、一番時間を費やした授業が一番面白くなかったんだろうな(笑)。苦手なアカデミックなことを考えるために時間を費やしたところが一番つまらなかったのではないかと思う。
米倉誠一郎: 真面目だから一所懸命準備して、アカデミックにふってみた。でも「マーケティング理論なんて、ほかの所でほかの先生がいくらでもやってますよ」ということですね。
髙島郁夫: 最初それがわからなくて、そっちにいってしまいました。今、「仕事は変えられるか」という内容の本を書いているのですが、人事や会社のルールの話であっても、本だからといってアカデミックに書こうとすると書けないんですよ。でも、自分がやったことを当てはめると書ける。
米倉誠一郎: それが一番面白いんですよ。やっぱり自分の言葉が大事。
藤巻幸夫: それが生きざまだもの。自分をわかる、自分の魅力は何かを知るって大事ですよね。今回、俺は自分の棚卸しができました。会社にはやっぱりヒエラルキーってものがあるじゃないですか。でも、塾生とはイーブンだから損得がない。塾生の素直な反応から、「ああ、こういうところが俺の武器なんだ」とか「ここをもっと伸ばせばいいんだ」って、俺という人間を教えてもらいました。
髙島郁夫: それは思いました。米倉さんみたいなことは俺には求めていないんだ、と(笑)。
米倉誠一郎: 2期目はどんな感じでいきますか。
髙島郁夫: 僕は本当にライフスタイルというものをやりたい。でも反省を踏まえて、ライフスタイルの“インスパイア”だけでいってみようかと思っています。「こんなやり方で、こんな生き方をしているオヤジがいっぱいいるんだぞ」というのを見せたいですね。
米倉誠一郎: それを体系立てて何かする、ということはしない?
髙島郁夫: もう、そういうことはしない。
藤巻幸夫: 実は全く同じことを思ったんですよ。やっぱりインフルエンスだと。今回、生身が一番だってわかった。塾生に弁護士がいたんですけど、俺と弁護士なんて、組み合わせとして考えられないでしょ、むしろ価値観が違うじゃないかと。でもそうじゃなかったんですよ。その弁護士は「こんなに面白いんだ」って本当に喜んでくれたんです。
米倉誠一郎: ミスマッチでうまい化学変化を起した塾生は、ほかにもいましたね。
藤巻幸夫: そうなんです。俺が楽しいとか、好きとか、面白いと思う人たちから影響を受けるのは、自分だけじゃなかった。だから2期ではいろいろなタイプの人をもっと呼んできて、塾生の頭の中を、もうごちゃごちゃにしたい(笑)。
米倉誠一郎: 塾生の側も、あまり決めつけないでチャレンジしてほしいですね。例えば「ライフスタイル・ビジネスをやりたいから髙島塾」というストレートな選び方じゃなくて、ちょっと寄り道して一度学問を究めてみようとか。「寄り道したいやつ、来い!」というのもいいかもしれない。
藤巻幸夫: 人間って過去の延長線上を走りたがるけど、せっかくお金を払って来るんだから、違う路線に乗っかってみればいい。そしたら「ちょっと待てよ。俺、こっちでもいいかもしれない」と、違う自分を発見するかもしれない。過去の延長じゃなくて、新しくブレイクスルーするきっかけになればいいじゃない。
髙島郁夫: そうそう。
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