記事・レポート

アジア最貧国の闇と光を考える

日本元気塾セミナー ~映画「アリ地獄のような街」上映会~

更新日 : 2010年08月30日 (月)

第6章 エクマットラの目標は、人材と収益のサイクルを生むこと

渡辺大樹氏

academyhillsをフォローする 無料メルマガ登録をする

会場からの質問: 渡辺さんとエクマットラの今後のプランと、この映画の続編をつくる予定があるかどうかを教えていただけますか。

渡辺大樹: 今の一番大きな目標は、エクマットラアカデミーの建設です。すでに土地は購入し、建設作業が始まっています。2010年中に第一工期を終わらせ、2011年の初めには子どもたちを入れて、技術訓練や教育を行っていきたいと思っています。

最終的な目標は、このエクマットラアカデミーで専門的な知識や技術を身につけた子どもたちが社会に羽ばたいていくことです。アカデミーでは飲食事業や旅行業などの職業訓練を行う予定ですので、そうした分野に羽ばたいていったり、あるいはエクマットラにスタッフとして戻ってきたりしてほしいですね。

青空教室、シェルターホーム、アカデミーという3つのステップを通じて巣立った子どもたちが、今度は青空教室の先生や、シェルターホームのスタッフや、アカデミーのスタッフとして戻ってきて、自分が今まで受けてきた教育や経験を次の世代の子どもに返していってほしいのです。

私やシュボなどの中心メンバーがやっている業務や組織運営のノウハウを彼らが身につけてやっていけるようになったら、エクマットラという組織全部をバトンタッチして、私たちは去って行く。元ストリートチルドレンから、現ストリートチルドレンに対して人材のサイクルというものをつくっていきたい。

それと、資金を寄付だけに頼るのではなく、自己収益源を持つサイクルをつくりたいと思っています。今年(2010年)中に焼き鳥屋をオープンする予定ですが、子どもたちは数年間そこで働いた後、のれん分けしてオーナーになるんです。当初はロイヤリティが発生して、エクマットラの収益にもなるシステムにします。数年後にはロイヤリティをなくして、彼らは一国一城の主になっていくんです。

こうしてしっかりとサイクルが回るようにつくり終えて去った後に、私にもシュボにも第二の人生があると思っています。

映画の次回作は、続編ではなくてサイドストーリーということで、いろいろな現実を描いていきたいと思っています。2011年中に撮影を開始し、2012年に公開できるようにしたいと考えています。

記事をシェアする

Twitterでつぶやく

Twitterでつぶやく

記事のタイトルとURLが表示されます。
(Twitterへのログインが必要です)


メールで教える

メールで教える

メールソフトが起動し、件名にタイトル、本文にURLが表示されます。



ブログを書く

ブログに書く

この記事のURLはこちら。
http://www.academyhills.com/note/opinion/10071406GenkiAri.html



該当講座

アジア最貧国の闇と光を考える~映画「アリ地獄のような街」上映会~
渡辺大樹 (NGOエクマットラ顧問)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

渡辺大樹(NGOエクマットラ顧問)×米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
バングラデシュのストリートチルドレンの現実を描いた映画「アリ地獄のような街」の自主上映セミナー。映画上映後には映画を制作したバングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGOエクマットラ共同創設者(現在顧問)渡辺大樹氏をゲストに迎え、なぜこの映画を作ったのか、この映画で伝えたいメッセージ、バングラデシュの子どもたちに対する想いを、直接お伺いします。


日本元気塾 政治・経済・国際