六本木ヒルズライブラリー

GIFT BOOKS ~大切な人に贈りたい9冊~

更新日 : 2023年12月19日 (火)





品々に親愛を込めて、「あのひと」が喜んでくれたらと想像を膨らませる12月。
華やぐ表情や声を想像することだけでなく、そもそも何を贈ろうかと悩むこともあるでしょう。そこで今回は、ライブラリアンがギフトとしての本をご提案します。
眺めるだけでわくわくさせる図鑑から、ペンや鉱石の入門書、そして「あなたのための短歌」まで。5人のライブラリアンが、9冊の本を選びました。


『日本の最も美しい図書館』
立野井一恵 著/エクスナレッジ
本好きな人への本のプレゼントといえば、やはりお薦めの本が定番ですが、少し趣向を変えて図書館の写真集はいかがでしょう。
この本で紹介しているのは、”空間”が素敵な全国の図書館。建物や内装、ロケーションなど、他には見ないところばかりです。
いつか行ってみたい憧れの図書館がみつかるかもしれませんし、一緒に目的地の図書館を選んで旅行するのも楽しそう。いつもと違う図書館に一日入り浸る日帰り一人旅なんていうのもいいですね。
”空間”が違えば心も変わる、心が変われば本の受け取り方も変わる。たまには図書館はいつものところ、の常識を飛び出してみませんか。
 

『NATURE ANATOMY 自然界の解剖図鑑』
ジュリア・ロスマン 著/大和書房
 おとなになって改めて「自然」に臨むと、その神秘に驚嘆することがあります。そして調べてみると、意外と知らないことだらけ。だけれど楽しい、その世界。
本書は地球の構造に始まり、天気や植物、虫、動物……私たちと共に生きる「自然」の万象を、ポップなイラストと明瞭かつやさしい言葉で網羅しており、学びとしてはもちろん、めくるだけでも心が跳ねる音のする図鑑です。それも不思議と「柔らかさ」をともなって──。
巻末の謝辞に書かれているように、著者が家族や友人と共に作ったという事実もある種の想いとなり、本書の温かみを構成しているようにすら感じさせる一冊です。
 

『ニューフォークアートデザインコレクション
 : 世界の新民藝グラフィック』
ヴィクショナリー 著/グラフィック社
「ニューフォークアート」とは伝統的な工芸品やその土地に根付く文様など、民族芸術と呼ばれる固有のものを現代風のグラフィックでアレンジした作品形態を指します。
継承と革新をバランスよく融合させることによって、ノスタルジーとポップさが際立つ目新しいデザインに様変わりし、どの世代にも親しみやすいプロダクトデザインが生み出されました。本書ではニューフォークアートの先駆者である韓国をはじめ、世界各国のデザイナーが手がけた100点以上もの作品を鑑賞することができます。ぜひ身近な人とともにお楽しみください。
 

『光と闇と色のことば辞典』
山口 謡司 著/エクスナレッジ
自分の中にある”なにか”をことばにした瞬間、大切なはしっこが消え去ってしまったように感じられることがままあります。一方で、他人のことばからなにかことば以上のものを感じられることもときどきあります。それだけ、ことばは難しくて奥が深いということだと思っています。
本書は、そんなことばの持つ”ことばにならないことば”を感じさせてくれる挿絵を取り入れたことば辞典です。些細な部分に目を向けた豊かで多様な日本語表現が美しく、心が躍ります。創作の一助となることはもちろん、紡ぐことばも入ってくることばも豊かになりそうです。
 

『はじめての万年筆とインクの本』
mizutama 著/エクスナレッジ
「今年は万年筆をプレゼントしてみよう」、と考えることがあります。しかし、種類も豊富で、人によって好みもある文房具を選んで贈るのは、意外と難しいものです。
それならば、「万年筆とインクについての本」をプレゼントにするのはいかがでしょうか?
こちらの本は、万年筆の各パーツの解説から始まり、お手入れ方法やインクの活用術などを教えてくれる入門書。「敷居が高い」、「どう使えばいいか分からない」といった悩みを解消してくれること間違いなしです。
美しく楽しい万年筆とインクの世界は、無限に広がっています。
 

『日本美術 この一点への旅』
山下 裕二 著/集英社
贈った本がその人の人生において些細な事でも何か行動するための切っ掛けなってくれたら、そんな素晴らしいことはないとおもいます。その一点を見る為なら出掛けても良い。そう思える美術品を47都道府県から集めたガイド集。収録されている品は正に逸品。歴史背景も含めてそこにその作品があるからこそ際立つとも思えるような物ばかりです。本書を読んでいたら、ふとした瞬間に出掛けたくなるかもしれません。本を片手に出掛けた先で出会えるのは美術品だけではないのかもしれません。
 
 

『深掘り誕生石』
奥山 康子 著/ライツ社
「誕生石」という存在を知った時、自分の誕生月の宝石は何なのかと、ワクワクしながら調べたことがある方も多いのではないでしょうか。2021年には日本の誕生石に新たに10種の石が加わり、各月に彩りが増しました。
宝石は、鑑賞すれば目を楽しませ、身につければ小さな一粒でも胸が高鳴ります。
では、その輝きはどのようにして放たれているのか、なぜその鉱物は「宝石」たりうるのか……石たちには、一見しただけではわからない魅力が詰まっているのです。
地球科学的な視点から、それぞれの宝石が持つ美しさ、その個性を読み解きます。
 
 

『あなたのための短歌集』
木下 龍也 著/ライツ社
どこかの誰かに向けられた言葉は、あなたにとってかけがえのない言葉になるかもしれない。詩人木下龍也が依頼者からメールで届くお題を元に作った数々の短歌。生活の中で感じる楽しみや疑問、モヤモヤした事、色について花について・・・等々お題は多種多様。この多種多様のお題に対して読まれた特別な言葉。自分ではなくどこかの誰かのお題に向けられ綴られた言葉。しかしその言葉が不思議と今の自分に合う時がある。まるでそれは私の為に書かれた短歌の様に。ふとした瞬間の道標にあなたの傍に置いて下さい。
 
 

『細部から読みとく  西洋美術
  めくるめく名作鑑賞 100』
スージー ホッツ 著/フィルムアート社
本書は宗教画を主とした中世の作品から、多様化が進み発展し続ける近代までの名作を拡大された図版によって細部まで楽しむことができる作品集です。描かれている人物や繊細な技法を深掘りする解説は作品の理解度をぐっと高めてくれます。
また本書には、六本木ヒルズに佇む有名な蜘蛛の彫像「ママン」の原作も掲載されています。すっかり見慣れてしまったという方も、作品に込められた意図をかみ砕くことで新たな味わいを得られるかもしれません。大人の知的好奇心を満たす、ボリューム感のある一冊です。
 

日本の最も美しい図書館 改訂版

立野井一恵
エクスナレッジ

NATURE ANATOMY 自然界の解剖図鑑

ジュリア・ロスマン 
大和書房

ニューフォークアートデザインコレクション : 世界の新民藝グラフィック

ヴィクショナリー 
グラフィック社

光と闇と色のことば辞典

山口謠司
エクスナレッジ

はじめての万年筆とインクの本

mizutama
エクスナレッジ

日本美術 この一点への旅

山下裕二
集英社

深掘り誕生石 : 宝石大好き地球科学者が語る鉱物の魅力

奥山康子
築地書館

あなたのための短歌集

木下龍也
偕成社

細部から読みとく西洋美術 : めくるめく名作鑑賞100

スージー・ホッジ
フィルムアート社