『わが投資術』は、" 個人資産800億円超。
長者番付け1位となった伝説のサラリーマン
投資家 " が書いた本ということで、発売前から
予約で売れている一冊。

具体的な投資テクニックを学ぶというよりも、
「そういえば、あの頃はそんな時代だったよね」
と、いろいろ思い返しながら、投資のプロの
スケールの大きな考え方や、経験を楽しむ本
のように、私には思えました。

もちろん「割安小型成長株」の魅力や、
自己の信念を持ち続ける意味なども書かれて
いるので、人によっては全く違う使い方が
できる本かも。

巨大なヘッジファンドを率いてきた著者の、
そんな幅広さを楽しむか。それとも、
もっと焦点を絞ってほしいと思うか・・?
評価がわかれるにしても、さすがと思わせる
迫力があります。

もし本の定義が「自分や他人の経験や知識を、
他者に伝えるために表現したもの」とすれば、
これはちょっと違うものだろうな、という
『小山さんノート』。

ホームレスの女性が、雨風や同居人の
DVに苦しみながら、書き続けた80冊以上の
手書きのノートです。

彼女の死後、ノートを文字起こしし、
道筋を実際に辿ってみたりした人たちが、
8年の時間をかけてまとめました。

「ものを書く」ということにひたむきな
魂と、容赦ない日常の痛み。

彼女は何を言おうとしていたのか、を
考え込んでしまう時間が訪れます。