オピニオン・記事

ダンディズム~男が憧れる男、女が憧れる男

粋、男らしさ、そして生きざままで

更新日 : 2018年11月20日 (火)

第3章 ダンディズムを体現する実在の人物

プリンシプルに生きた男

澁川雅俊: 小説に限らず、実在の人物に理想の「ダンディ」を見いだそうとする人もいます。しばしば引き合いに出されるのが、「吉田茂の懐刀」などと評された白洲次郎です。

戦後、GHQと丁々発止の交渉を行い、憲法成立や行政計画に深く関わり、吉田の引退後は財界に進出し、大企業の役員を歴任。英国に留学してグローバルな感性を磨きながらも、日本人であることを強く自覚し、その姿勢で海外VIPと交流を深めたことでも知られています。1929年に伯爵令嬢と結婚し、晩年は町田市に構えた武相荘で郊外生活を楽しみ、1985年にその生涯を終えています。

2000年代に入ると、白洲次郎は評論や記事、TVドラマ、小説などであらためて注目されるようになり、一躍‘ダンディな日本人’ともてはやされるようになりました。2008年には「黎明の風」というタイトルで、その生涯が宝塚歌劇団で舞台化されました。関連書籍も多く、『白洲次郎~日本で一番カッコイイ男〈増補新版〉』〔KAWADE夢ムック〕、『白洲次郎に学ぶ ビジネスの教科書』〔青木高夫/講談社〕、『白洲次郎のダンディズム』〔馬場啓一/ぶんか社〕などがあります。


彼の妻、白洲正子は『ほんもの—白洲次郎のことなど』〔新潮社〕を著しています。エッセイストでもある彼女は、生涯を通じて身の回りのモノや日常の出来事、出会う人々のなかに‘ほんもの’を探し求めていましたが、それは「魅力的で、危険極まりない」ものと述べています。本書には次郎はもとより、身も心も吸い取られてしまいそうなダンディな男たちとの出会いが記されていますが、興味深いことに、いずれの男性にも夫の面影が垣間見えます。


夢を追い続ける男のダンディズム

澁川雅俊: 「日本のウイスキーの父」と称され、サントリーウイスキーやニッカウヰスキーを創始した竹鶴政孝も、実在したダンディの一人です。彼の生涯は、NHK連続テレビ小説「マッサン」を通じて広く知られることとなり、多くの人がその生きざまに感動しました。『ウイスキーとダンディズム~祖父・竹鶴政孝の美意識と暮らし方』〔竹鶴孝太郎/KADOKAWA〕は、その伝記です。


スポーツの世界にもダンディな人がいます。その一人が、メジャーリーグ・ドジャースからの巨額オファーを断り、大幅な年俸減にもかかわらず古巣の広島カープに復帰した黒田博樹投手です。日本復帰から2年後の2016年、広島カープを25年ぶりのリーグ優勝、日本シリーズ出場へと導き、日米通算203勝という成績を残し、同年、現役に別れを告げています。『黒田博樹 1球の重み』〔迫勝則/宝島社〕には、野球の道を究めるべく、黙して語らず、ひたすらに白球を投げ続けた男の決断が綴られています。

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