セミナー・イベント

楠木建の「脱コモディティ化」の戦略~次元の見えない差別化戦略~
パネル・ディスカッション「見えないものを見る力」:
経営とリーダーシップの本質を考える

日時

2007年04月25日 (水)  19:00~21:00
終了しています

内容

『楠木建の「脱コモディティ化」の戦略』の特別編として、企業成長を支える経営とリーダーシップの本質を考えるパネル・ディスカッションを開催します。

日本の経済と企業は長く続いたトンネルから抜け出し、企業経営の焦点もリストラクチャリングという「守り」のフェーズからいよいよ成長を志向した「攻め」のフェーズへと移行しつつあります。

最近では、ITや会計システムの進展を受けて、経営における「見える化」の重要性が強調されています。「見える化」はオペレーションを支える思考であり、リストラや企業再生という「守り」の局面では経営にとってとりわけ重要な意味をもっていました。企業がリストラを進め、体力を回復してきたこの10年間、財務的な指標を中心として経営のさまざまな側面で日本企業にも「見える化」が浸透してきました。

経営者の意思決定においてさまざまな「合理的」で「洗練された」定量的指標の活用がますます重視され、加えてコーポレート・ファイナンスや経営戦略のコンサルティングといったプロフェッショナル・サービスはこの傾向を加速しています。しかし、「見える化」は、成長に向かって新しい方向を打ち出したり、イノベーションによって変化をリードする「攻め」のフェーズでは、必ずしも有効でないばかりか、かえって企業のダイナミズムを阻害する危険があります。『楠木建の「脱コモディティ化」の戦略』では、経営が「見える化」を志向するあまり、それが「見えすぎ化」になってしまい、結果として企業をありきたりの方向へと向かわせてしまい、これがコモディティ化を進行させているという論理(「可視性の罠」)を提示してきました。「可視的な意思決定の物差し」への過度な依存が、攻めのフェーズではかえって逆機能するという仮説です。

このパネル・ディスカッションでは、それぞれに異なった専門分野で仕事をしている一橋大学大学院国際企業戦略研究科の4人、佐山展生氏(専門分野:M&A)、安田隆二氏(成長戦略)、石倉洋子氏(競争戦略)、楠木建氏(イノベーション)が登場し、「見えないものを見る力」という切り口からこれからの企業成長にとって必要となる経営力の本質について議論を深めます。

講師紹介

パネリスト
佐山展生 (さやま・のぶお)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、GCA株式会社代表取締役

1953年生まれ。76年京都大学工学部卒業。94年ニューヨーク大学大学院ビジネススクール卒業(M.B.A修了)、99年東京工業大学大学院学術博士号取得。帝人、三井銀行(現三井住友銀行)勤務を経て98年代表取締役パートナーとしてユニゾン・キャピタルを共同設立。2004年GCA株式会社共同設立、代表取締役就任。05年一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。経済産業省「企業価値研究会」等委員。事業再生実務家協会常務理事。

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パネリスト
安田隆二 (やすだ・りゅうじ)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授

1970年東京大学経済学部卒業。76年Morgan Guaranty Trust Company, N.Y.(現J.P.Morgan Chase)入社。79年カリフォルニア大学バークレー校大学院政治学博士号取得。マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー、A.T.カーニーアジア総代表、ジェイ・ウィル・パートナーズ会長などを経て、2002年より現職。 主な著書に『日本の銀行進化への競争戦略』など。

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パネリスト
石倉洋子 (いしくら・ようこ)
一橋大学名誉教授

専門は、経営戦略、競争力、グローバル人材。
バージニア大学大学院経営学修士(MBA)、ハーバード大学大学院 経営学博士(DBA)修了。
マッキンゼー社でマネジャー。青山学院大学国際政治経済学部教授。一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。世界経済フォーラムのNetwork of expertのメンバー。

これまで、株式会社資生堂、積水化学、日清食品ホールディングス株式会社、双日株式会社、ライフネット生命保険株式会社、富士通株式会社、株式会社商船三井社外取締役などを歴任、デジタル庁初代デジタル監、郵政公社社外理事、総合科学技術会議非常勤議員、日本学術会議副会長、その他 行政改革本部規制改革委員会委員、文部科学省中央教育審議会委員、産業クラスター研究会副座長、公正取引委員会独禁法懇話会委員、経済財政諮問会議専門委員会「選択する未来」Working Group委員など。

日本および外国企業の経営幹部研修・戦略ワークショップ、グローバル人材、多様性推進、女性活用などに関する各種セミナー、アジア・欧米の会議のパネリスト。
2010年より「グローバル・アジェンダ・ゼミナール」、2013年より「ダボスの経験を東京で」(現在はSINCA)など、世界の課題を英語で議論する「場」の実験を継続中。

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パネリスト
楠木建 (くすのき・けん)
一橋ビジネススクール教授

一橋ビジネススクール教授。専攻は競争戦略。企業が持続的な競争優位を構築する論理について研究している。大学院での講義科目はStrategy。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部助教授(1996)、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授(2000)を経て、2010年から現職。1964年東京都目黒区生まれ。

著書として『絶対悲観主義』(2022、講談社)、『逆・タイムマシン経営論』(2020、日経BP、杉浦泰との共著)、『「仕事ができる」とはどういうことか?』(2019、宝島社、山口周との共著)、『室内生活:スローで過剰な読書論』(2019、晶文社)、『すべては「好き嫌い」から始まる:仕事を自由にする思考法』(2019、文藝春秋)、『「好き嫌い」と才能』(2016、東洋経済新報社)、『好きなようにしてください:たった一つの「仕事」の原則』(2016、ダイヤモンド社)、『「好き嫌い」と経営』(2014、東洋経済新報社)、『戦略読書日記』(2013、プレジデント社)、『経営センスの論理』(2013、新潮新書)、『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(2010、東洋経済新報社)、Dynamics of Knowledge, Corporate Systems and Innovation (2010, Springer, 共著)、Management of Technology and Innovation in Japan (2006、Springer、共著)、Hitotsubashi on Knowledge Management (2004, Wiley、共著)、『ビジネス・アーキテクチャ』(2001、有斐閣、共著)、『知識とイノベーション』(2001、東洋経済新報社、共著)、Managing Industrial Knowledge (2001、Sage、共著)、Japanese Management in the Low Growth Era: Between External Shocks and Internal Evolution(1999、Spinger、共著)、Technology and Innovation in Japan: Policy and Management for the Twenty-First Century (1998、Routledge、共著)、Innovation in Japan (1997、Oxford University Press、共著)などがある。

「楠木建の頭の中」というオンライン・コミュニティで、そのときどきに考えたことや書評を毎日発信している。
  オンライン・コミュニティ「楠木建の頭の中」

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開催実績

中竹竜二 (株式会社チームボックス 代表取締役
日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター

)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2007/03/22 (木)

江幡哲也 (株式会社オールアバウト 代表取締役社長兼CEO)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2007/02/20 (火)

矢野貴久子 (株式会社カフェグローブ・ドット・コム代表取締役)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2007/01/30 (火)

大久保清彦 (株式会社インターナショナル・ラグジュアリー・メディア 取締役
オーシャンズ 兼 ローリングストーン日本版 発行人/編集長
セブンシーズ総研株式会社 取締役副社長)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2006/12/07 (木)

楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2006/11/30 (木)

募集要項

日時 2007年04月25日 (水)  19:00~21:00
受講料 5,000円
定員 150名

主催
  • アカデミーヒルズ
会場 アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

※都合により40階に変更する場合、受講生には直接ご案内いたします。