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新年のごあいさつ

ー 竹中平蔵・アカデミーヒルズ理事長

更新日 : 2012年01月04日 (水)


2012年、新しい年を迎えました。

昨年は日本、そして世界にとり、大変厳しい年となりました。

国内では、東日本大震災に始まり、原発事故、円高、タイの大洪水によるアジア生産拠点の被害等。特に東日本大震災は、単なる地震・津波という自然災害を超えた「複合連鎖危機」と考えねばなりません。日本の価値(バリュー・オブ・ジャパン)そのものの危機、新しいタイプの危機に直面しています。

世界に目を向けると、成長は鈍化しつつも新興国の台頭、アラブ世界の民主化運動、ユーロ危機、世界経済は「Gゼロ」時代へ突入し、大きく変わり始めています。

大きく変わろうとしているとき、政治的リーダーシップは不可欠です。
しかし、リーダーの登場を待つだけではなく、我々一人一人も自ら前進しなければなりません。

福沢諭吉は「一身の独立なくして一国の独立なし(*国民一人ひとりが独立しなければ、国家の独立などありえない)。独立自尊の精神(*他に頼ることなく、自らの尊厳を自らの力で守ること)が今ほど必要とされる時代はない」と説いています。

大きく社会が変わる今、重要なのは、一人一人の力です。

2012年は、皆さんと力を合わせて、復興にとどまらず、新しい日本を創っていきたいと思います。

関連情報

2012年1月20日 (金) 19:00より、竹中氏がモデレートするセミナーが開催されます。

  『日本大災害の教訓~複合危機とリスク管理~』

竹中平蔵(慶應義塾大学教授)船橋洋一(一般財団法人日本再建イニシアティブ理事長)、市川宏雄(明治大学専門職大学院長)、西川智(国土交通省土地・建設産業局土地市場課長)、吉岡斉(九州大学教授)、村井嘉浩(宮城県知事)東日本大震災の被害詳細、原因、教訓を世界の人々と共有し、後世へ伝えることを目的に、各分野の専門家が執筆した『日本大災害の教訓』出版シンポジウム。