記事・レポート

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

更新日 : 2008年12月08日 (月)

第3章 ソフトボールと野球。結果の差はどこから生まれたのか

竹田恆和さん
竹田恆和: 今回、団体競技ではソフトボールが金メダルをとりました。アメリカの3連覇を阻止し、初の金メダルでした。決勝リーグでは本当に危ない場面がいくつもあったのですが、耐えに耐えていました。そして上野の3連投、413球ですが、球速も落ちず、最後まで頑張ってくれました。あの頑張りを見てほかの選手たちは「絶対負けるわけにはいかない」と、彼女たちの勝つための執念は、本当に強いものがあったと思います。

女子サッカーは、今回銅メダルを目指した3位決定戦まで上がりました。暑さ、ピッチの状況、そういうものに不満ひとつ言わないで、本当に彼女たちは頑張ったと思います。それに比べると、3連敗で1勝することもなく終わった男子サッカーは、不満が多すぎたと思います。やはり女子サッカーはそこが自分たちの最高の舞台であるという、その想いの差が現れたのだと思います。

野球とソフトボールがロンドンでは正式種目から外れることになります。ソフトボールは、女子サッカーと同じように、彼女たちの最高の舞台で勝つための執念を燃やしたと思うのですが、野球は1つも勝てないで終わってしまいました。野球には勝つための執念というものが全く伝わってこなかった気がします。

プロの競技、サッカーや野球において彼らの最大の舞台は、やはりプロの世界なんですね。ですから本当にオリンピックで勝つためには、そのリーグよりも、日本代表としての最高のチーム編成、そして充分な練習が必要であり、これはまさにその競技団体が自ら汗をかいて解決していかなければならない問題だと思います。

(その4に続く、全9回)

※この原稿は、2008年9月11日に開催した六本木ヒルズクラブランチョンセミナー「北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~」を元に作成したものです。

該当講座

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致

~北京での日本選手団の成績とオリンピックの東京開催を目指して~

北京オリンピックと2016年東京オリンピック招致
竹田恆和 ((財)日本オリンピック 委員会(JOC)会長/エルティーケーライゼビューロージャパン(株)代表取締役社長)

今回の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは北京オリンピック開催直後の余韻がまだ残る9月に日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和氏をお招きします。2冠を獲得した北島康介選手をはじめ、悲願の金メダルを手にした女子ソフトボール代表、体操で銀メダルを獲得した内村航平選手、フェンシングで銀メダルの....


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