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『カタログからネットへの通販改革~「ベルメゾンネット」の成功にみる総合型ECサイト運営の鍵~』

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2008年08月29日 (金)

第4章 価格競争に陥りやすいネット時代を生き抜くには?

中山茂さん

中山茂: もちろん課題もあります。例えば私はDVDレコーダーを買うときに、ネットで一番安いところを探します。お店に対するロイヤリティは一切なく、お店側からすればそのときに安いか安くないかだけで価格競争に陥ってしまう不幸なパターンです。

『千趣会』も、いつまでもカタログの『ベルメゾン』では、うちの強みである商品の幅やクオリティをうまく本当に表現できるのか、そこにロイヤリティが本当に存在するのかという、非常に深い問題を抱えることになります。

でも、お客さまがみんな安いところを探して買うかというと、そんなことはありません。

そのときにお客さまがどういう思考を持っているか、どういうタイミングなのかによってチャネルが違ってきます。購入意欲に対し、『千趣会』にあるいくつものチャネルをいかに認知していただくかが一番の課題です。

メールマーケティングなどでプッシュするだけではニーズに応えられないということを実感しています。お客さまの欲求をストレートに吸収するのは、 キーワードであったり、常日頃通っているアフィリエイターのブログだったりしますので、そこに我々のコンテンツを露出して、希望に対してコンシエルジュの ようにさりげなく提示することが必要なのではないかと思っています。

当社は商品点数が非常に多いのでロングテールに有利な立場にありますが、ニッチな商品にちゃんとキーワードとして、ニッチさが組み込まれているかどうかが重要です。

例えば、「ボーダーTシャツ」というキーワードで500ぐらいの商品があるときに、お客さまがキーワードとして埋め込む欲求と、我々が提供するディ テールとが合うか。それを「数ある中から順に探してください」というのではなく、一つひとつの商品にどれだけ特色を出して、どのようなキーワードで引っか かるようにするかということです。

このようにWeb時代で勝ち抜くには、一つひとつの施策も大事ですが、商品も含めてサービスやWebならではのブランディングが必要になります。一 方、紙のカタログの良さというのも当然あり、欲求もあります。ロイヤリティを感じていただけるお客さまにアピールするためには、来ていただいたらしっかり とサポートする、アフターフォローをするということです。

この積み重ねがブランドを構築していきますから、体験からの実感として、「この通販っていいよね」と思ってもらえるサービスでないと、築き上げたブ ランドは崩れてしまいます。消費者欲求というところに根ざしながら、時代とともにスピーディに変わっていかなければならないと実感しています。

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