六本木ヒルズライブラリー

未来を考える5冊

更新日 : 2024年06月18日 (火)





十年前の皆さんは、今の生活をどのくらい予測できていましたか?
テクノロジーの発展はめまぐるしく、数年前に発表された最先端と常識がどんどんとアップデートされ、自分には関係ないと思っていた技術が気が付けば生活の中に溶け込んでいることもあるかと思います。このスピード感ある現代社会で、私たちの生活はこの先どの様に変わっていくのでしょうか?仕事、医療、社会生活など我々を取り巻く環境など、少し先の未来について考えてみませんか?


『東大教授が語り合う10の未来予測』
瀧口友里奈(編), 暦本純一, 合田圭介, 松尾豊, 江崎浩, 黒田忠広, 川原圭博, 中須賀真一, 戸谷友則, 新藏礼子, 富田泰輔, 加藤真平/大和書房
AIの第一人者である松尾豊教授、人間の能力拡張を追及する暦本純一教授、分野横断型研究において世界のトップランナーである合田圭介教授など、日本最先端の研究者たちが堅苦しいテーマは抜きで雑談をすると、一体何が起こるのでしょうか?

「能力がダウンロードできるようになる?」「6G、7G、8Gで何が起こるの?」想像をはるかに超える未来予測にふれることで、発想が広がり、読み進めるほど頭がやわらかくなっていくようです。
未来に不安がある人、最先端の研究に興味がある人、純粋に驚きが欲しい人にもオススメです。
端々から伝わってくる研究者たちの“思考”そのものにも、未来を紐解くヒントが隠されているようです。

 

 

『落合陽一責任編集 生成AIが変える未来』
 落合陽一責任編集/扶桑社
「AIを使う、使わない」という議論はもはやナンセンスです。なぜなら、AIはツールのひとつだからです。__p.8 序章『生成AIの発展により、デジタルネイチャー化する世界』より
生成AIはもはや当たり前の「ツール」となり、世の中には新たなAIが常に発表され続けるようになりました。生成AIの情報を日々追っている方は「何を今更」かもしれませんが、そうではない方もまた多いのではないでしょうか。そんな方にお勧めできるのがこちらの本です。

現在、生成AIはどんな現場でどのように使われているのか、そして今後私たちはそれをどのように使っていくのか。その結果、環境はどう変わるのか。生成AIの現況を、俯瞰できる一冊です。

 

 

『Invention and Innovation
:歴史に学ぶ「未来」のつくり方』
バーツラフ・シュミル/河出書房新社 性急に進歩を推進することは、善い未来の創出に必ず繋がるのか──。
誰もが首肯してしまいそうな問いですが、著者はその状況に今までの発明事例と実用までの過程、以降の評価を丹念に批評したうえで警鐘を鳴らしています。いわく、「よりよい世界、より安全な世界、より公平な世界を実現するには、根本的に世界を変革する発明が多々、必要となるだろうが、その成否はあとになって過去を振り返ったときに初めてわかるものだ。」(p.28)

いまや世界史に名を残すのみに留まっている数々の発明は、アイデアに全ての責任があるのではなく、過程という広義でのイノベーションとの齟齬によって、憂うべき結末を迎えたのです。
歴史を検証することで見えてくる未来への希み。これは科学の領域だけでなく、あらゆる分野にも言えるのでしょう。
 

『クリティカル・ビジネス・パラダイム
:社会運動とビジネスの交わるところ』
山口周/プレジデント社
「社会運動・社会批判としての側面を強く持つビジネス=クリティカル・ビジネスという新しいパラダイムの勃興によって、経済・社会・環境のトリレンマを解決する」(「はじめに」より抜粋)

飽和状態になりつつあるビジネスの考え方を改めるべく、「社会運動」と「ビジネス」という一見相容れない活動の融合を提唱する本書。持続可能性を前提とした社会に必要不可欠なクリティカル・ビジネスについて多角的な視点で切り込んでいます。こうした取り組みに賛同する同志を「アクティヴィスト」と称し、わたしたちに行動と変革を促す著者が目指す理想の未来とは。今後のビジネスのあり方をより有意義なものへと導く必読の一冊です。
 

『「未来」とは何か 
1秒先から宇宙の終わりまでを見通すビッグ・クエスチョン』
デイビッド・クリスチャン/NewsPicksパブリッシング
未来は不確実で曖昧で捉えどころのないはずなのに、私たちの生き方や発想はいつだって未来ありきで進みます。その「未来」そのものについて、深く考えを巡らせたことはありますか?

筆者は、138億年前の宇宙誕生から現在にかけての歴史を俯瞰して研究する新しい学問「ビッグヒストリー」を提唱した歴史学者。物理学、生物学、量子力学などの領域にも触れて、これまで人類や動植物が歩んだ歴史を辿りながら未来というものの本質を解き明かします。
これまで人々は、どのように未来というものを考え、解釈してきたのか。生物は、どのように未来に備え、立ち向かうのか?この先の地球の展望とは?
「過去」を見つめてきた歴史学者が、その幅広い学問の知見を総動員して「未来とは何か?」を論じる一冊です。
 

東大教授が語り合う10の未来予測

瀧口友里奈(編), 暦本純一, 合田圭介, 松尾豊, 江崎浩, 黒田忠広, 川原圭博, 中須賀真一, 戸谷友則, 新藏礼子, 富田泰輔, 加藤真平
大和書房

生成AIが変える未来ー加速するデジタルネイチャー革命ー : 落合陽一責任編集

落合陽一責任編集
扶桑社

Invention and Innovation - 歴史に学ぶ「未来」のつくり方

バーツラフ・シュミル
河出書房新社

クリティカル・ビジネス・パラダイム : 社会運動とビジネスの交わるところ

山口周
プレジデント社

「未来」とは何か:1秒先から宇宙の終わりまでを見通すビッグ・クエスチョン

デイビッド・クリスチャン
NewsPicksパブリッシング