記事・レポート
「アメリカ大統領選挙から、アメリカ社会を考える」
更新日 : 2008年06月23日
(月)
第16章 官僚制度も悪くない!? 政治任命すると官邸機能が麻痺する
ジェラルド・カーティス: 私は子どものころから民主党支持です。アメリカでは、宗教と、支持する野球チームと、支持する政党が、大体子どものころに決まります。ニューヨークだったら野球はヤンキースかメッツ。私は「ブルックリン・ドジャーズ」のファンですが……。今は「ロサンゼルス・ドジャーズ」になっていますが、私が子どものころ、ドジャーズはブルックリンを本拠地にしていました。私はブルックリンに住んでいましたから、やっぱりブルックリン・ドジャーズのファンです。それと、私はユダヤ人ですが宗教も決まっています。あと、民主党の家だったんです。両親が民主党支持者で、自然に私もそうなりました。
最近はそういう流れから離れてインディペンデントになっている人も多くなっているのですが、日本と違って、子どものころからその家が民主党の家か共和党の家か、大体決まっていて、それでアメリカの政党政治は安定しています。
民主党は弱者や恵まれていない人たちを支持基盤にしているのに、中枢部にはエリート意識が非常に強い人が多い。民主党のブレーンたちは、大体アイビーリーグのハーバードやプリンストンなど、いわゆる名門大学出身で、結構お金のある人が多くて、恵まれていない人たちをどうも下に見ているところがあります。そういうところは、私は非常に嫌いです。
日本は官僚ではなく、アメリカのようにポリティカル・アポインティ、外の人を政治任命した方がいいという意見が多いのですが、これはある程度ならいいのですが、この制度には非常に問題があります。
例えばブッシュが大統領になったとき、ホワイトハウスは重要なポストを占める人たちが入れ替わった。国家安全保障会議はコンドリーザ・ライスが長官になりましたが、半年間ぐらいは、勉強するわけです。半年のギャップ、ブランクが生まれるということです。
2、3日前に北朝鮮で政府高官と話しましたけれども、やはり今のブッシュがまだ大統領である間に6者会談の第2段階を終えないと、たぶん来年 (2009年)の秋まで何もできない。次の政権がオバマ政権であろうとマケイン政権であろうと、ブランクが生じるからです。2001年にブッシュ政権に なって、アルカイダはどういうものか調べて、レポートがコンドリーザ・ライスところにやっと上がって、「テロ対策はこうであるべきだ」となったのは同年8月でした。その次の月、9月11日にテロ事件があったのです。ポリティカル・アポインティをやると政府がしばらく麻痺状態になることがあるのです。
最近はそういう流れから離れてインディペンデントになっている人も多くなっているのですが、日本と違って、子どものころからその家が民主党の家か共和党の家か、大体決まっていて、それでアメリカの政党政治は安定しています。
民主党は弱者や恵まれていない人たちを支持基盤にしているのに、中枢部にはエリート意識が非常に強い人が多い。民主党のブレーンたちは、大体アイビーリーグのハーバードやプリンストンなど、いわゆる名門大学出身で、結構お金のある人が多くて、恵まれていない人たちをどうも下に見ているところがあります。そういうところは、私は非常に嫌いです。
日本は官僚ではなく、アメリカのようにポリティカル・アポインティ、外の人を政治任命した方がいいという意見が多いのですが、これはある程度ならいいのですが、この制度には非常に問題があります。
例えばブッシュが大統領になったとき、ホワイトハウスは重要なポストを占める人たちが入れ替わった。国家安全保障会議はコンドリーザ・ライスが長官になりましたが、半年間ぐらいは、勉強するわけです。半年のギャップ、ブランクが生まれるということです。
2、3日前に北朝鮮で政府高官と話しましたけれども、やはり今のブッシュがまだ大統領である間に6者会談の第2段階を終えないと、たぶん来年 (2009年)の秋まで何もできない。次の政権がオバマ政権であろうとマケイン政権であろうと、ブランクが生じるからです。2001年にブッシュ政権に なって、アルカイダはどういうものか調べて、レポートがコンドリーザ・ライスところにやっと上がって、「テロ対策はこうであるべきだ」となったのは同年8月でした。その次の月、9月11日にテロ事件があったのです。ポリティカル・アポインティをやると政府がしばらく麻痺状態になることがあるのです。
「アメリカ大統領選挙から、アメリカ社会を考える」 インデックス
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第1章 オバマは黒人に対するアメリカ社会の意識変化をもたらした
2008年05月21日 (水)
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第2章 複雑なアメリカ大統領選挙の仕組みを簡単に説明します
2008年05月22日 (木)
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第3章 オバマが躍進できたのは、複雑な選挙のおかげ
2008年05月26日 (月)
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第4章 民主主義国家らしくない党員集会
2008年05月27日 (火)
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第5章 日本の現職政治家が恐れる「インターネット革命」
2008年05月28日 (水)
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第6章 JFKの再来か?政治に無関心な人が振り向いた!
2008年05月30日 (金)
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第7章 ヒラリーが嫌われる理由。このままでは民主党が自滅する
2008年06月02日 (月)
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第8章 オバマとヒラリーの支持基盤は、こんなに違う
2008年06月03日 (火)
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第9章 ヒスパニックの増加は、日本の自動車メーカーにも影響を及ぼす
2008年06月04日 (水)
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第10章 黒人がオバマを支持しないのは、潜む差別と共和党への拒絶感
2008年06月05日 (木)
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第11章 オバマに可能性が出てきた!アメリカ社会の変化の兆し
2008年06月09日 (月)
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第12章 ヒラリーを強く支持しているのは、45歳以上の女性
2008年06月10日 (火)
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第13章 マケインには、21世紀の外交を任せられない
2008年06月12日 (木)
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第14章 テロが起きたら、マケインが勝つ
2008年06月16日 (月)
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第15章 政治家にとって一番大切なのは、経験ではなく希望
2008年06月18日 (水)
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第16章 官僚制度も悪くない!? 政治任命すると官邸機能が麻痺する
2008年06月23日 (月)
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第17章 オバマなら、中東やアフリカから評価される国にできる
2008年06月30日 (月)
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第18章 中国が目指しているのは「超大国」。「経済大国」ではない!
2008年07月07日 (月)
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第19章 拉致問題に固執する日本は、世界から孤立する
2008年07月09日 (水)
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