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活動レポート

未来を洞察するためのSF
〈エントランス・ショーケース展示〉

更新日 : 2022年03月15日 (火)




今回の展示は「未来を洞察するためのSF ~Books For insight into the future~」と題して、20世紀に書かれたSF小説やSF思考をテーマにした書籍をご紹介しています。

もし自分が今とは違う時代、違う星、違う価値観の下で生まれていたら、どのように一生を過ごすのか。誰もが一度は考えるような空想には、今わたしたちが生きる世界への疑問や違和感を再考する重要なヒントが隠されています。
SFがどのようにわたしたちの未来へとつながるのか。現代社会の本質を問い直す企画展示です。




▼異次元への興味

「SF」というと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
どこか現実離れした宇宙規模の壮大な物語などをイメージされる方も多いでしょうか。

SFは“Science Fiction“の略語、日本語では「科学的な知識に基づいた空想」などと訳されます。つまり創作であり、今の現実にはないものばかりです。しかし現実にはあり得ない話と言い切れないところが、SFの魅力のひとつといえます。
 




▼今みえている世界

今回の展示では「都市」「セクシュアリティ」「メタヴァース」など、現代社会が直面しているテーマを掲げています。そのどれもが壮大な規模の他人事ではなく、個人単位で考えるべき身近な問題です。

今改めての盛り上がりを見せているSF作品の数々が、それぞれの問題を紐解くヒントになるかもしれません。

 
 


▼SF小説へのまなざし

一歩間違えれば同じ結末を迎え得る恐怖、非現実に思いを馳せる楽しみ、非道徳的な行いに沸々と湧き上がる怒り、こんな世界に生まれていなくてよかったという安堵、あるいはこんな世界に生まれたかったという憧れ…。

これらの作品から受けた刺激が新たな空想を生み、さらなる社会の発展へとつながる可能性を秘めています。 世界に対して能動的に関わっていく意欲と好奇心がここには詰まっています。





▼SFの応用発展

現在では、わたしたちの未来について問い続けるSFの、科学的な根拠に基づく具体的な考え方に注目が集まっています。
その思考法は「SF思考」と呼ばれ、ジェフ・ベゾスやビル・ゲイツなど世界の名だたる著名人も、この思考法を活用して世界と向き合っています。
自由な発想で描いた未来を現実なものとするためには、何が必要か。より良い未来を創り出すための逆算的な考え方をSF作品から学ぶことができます。
 





SFの根源である空想の力は社会の課題だけでなく、個人単位の問題をも解決し得る重要な思考力です。
突飛に思える空想も現実のうえに成り立っています。
あなたはこのすこし不思議な話をどのように受け止め、今を見つめるでしょうか。
非現実に触れて現実に立ち返る、そのようなきっかけとなれば幸いです。




<音声でさらに知る「未来を洞察するためのSF」>
企画に至った経緯、パネルデザインの意図など、展示ついてのお話を、
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSの工藤眞平さんに伺いました。

 
 

企画:難波優輝・SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)
選書&コメント:難波優輝・草野原々・黒澤雄大(SPBS)・工藤眞平(SPBS)
小説:難波優輝・草野原々
デザイン:米山浩太郎
 
 



※エントランス・ショーケースはアカデミーヒルズ会場ご利用者とライブラリーメンバーのみご覧いただけます。