六本木ヒルズライブラリー

きっと何か見えるはず。都会の夜空を見上げよう!
『冬の星空の向こうに』 開催レポート

更新日 : 2019年03月22日 (金)
【ライブラリーイベント】冬の星空の向こうに

【文・写真】後藤  【開催日】2019年2月18日(月)


皆さんは最近、夜空を見上げたことがありますか?
東京の空なんて、どうせ何も見えないと思っている人も少なくないと思いますが、
冬は星を見るのに最適な季節。
このセミナーのスピーカーで、天文学普及プロジェクト、通称「天プラ」の代表を務める
高梨直紘さんによれば、都心の空も見上げれば、何かしらは見えるといいます。 

まずは座学で冬の星の特徴について学びます
ライブラリーイベントの中でも人気のある、季節ごとの星について学ぶ星空シリーズ。今回は、前半で冬の特徴的な星座について学んだ後、後半は六本木ヒルズの屋上、スカイデッキに移動して、実際に星座を鑑賞しようという企画。

前半の座学では、この日の星空観賞の時間に近い、2月中旬の20時頃の星図を見ながら、冬の星座として代表的な北極星や北斗七星、カシオペア座、すばる、冬の大三角などの見つけ方を解説いただきました。

国立天文台 天分情報センター(NAOJ) より

その後は、「MITAKA」を使って宇宙の全体について学びます。星空シリーズには毎回登場する「MITAKA」。太陽系・恒星・銀河データを基にした「4次元デジタル宇宙ビューワー」で、地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、天文学の様々な観測データや理論的モデルを見ることができます。このソフトは誰でもダウンロード可能なフリーソフトですが、日本の精鋭の天文学の研究者が開発したソフトウエアだけに、その精巧さと情報量の多さ、息を飲むような画像の美しさは毎回、参加者を魅了します。

4次元デジタル宇宙ビューワー "Mitaka"(ミタカ)
そして、いよいよスカイデッキへ!

この日は天候に恵まれ、気温も比較的暖かく、絶好の星空鑑賞日和と喜んでいたのですが、満月まであと数日という月がとてもきれいに輝いていて、その月あかりのせいもあって、期待するほどの星座を肉眼で見ることはできませんでした。

六本木ヒルズ屋上「SKY DECK」にて
それでも、北極星と北斗七星、オリオン座の一部などは解説どおりの方向に確認することができました。また、用意いただいた天体望遠鏡を通して、すばるや輝く月の月面の模様までくっきり見ることができました。

当日設置した望遠鏡を通してiPhoneで撮影した当日の月の様子

期待するほど、星を見ることはできなかったものの、東京のしかも六本木の夜空をこんな風に見上げるのは久しぶりということで、参加者は皆、何となく幸せそうな表情で星空イベントを後にしました。

それぞれの想いで久しぶりに都会の夜空を見上げる参加者の方々

何となく下を向きがちな都会の生活のなかで、忘れていた何かを思い出させてくれるようなイベントでした。また、今度は春の星空を皆で見上げたいと思います。お楽しみに!