六本木ヒルズライブラリー

ベル・エポック(Belle Époque)イラストレーション
アール・ヌーヴォーとアール・デコの挿絵本
~エントランス・ショーケース展示

更新日 : 2019年04月08日 (月)



今回のエントランス・ショーケース展示は「ベル・エポック(Belle Époque)イラストレーション」と題して、19世紀末からヨーロッパで流行したアール・ヌーヴォー/アール・デコ時代の挿絵本のご紹介です。
◆ベル・エポック

「ベル・エポック」とは、社会・文化的な現象としての「良き時代」のことを表します。それは19世紀末から第一次世界大戦勃発(1914年)までの時期、フランス・パリが繁栄した華やかな時代の文化を回顧して用いられました。その文化はのちにフランスを越え、同時代の西欧文化の新たな開花と合わせて論じられることもあります。



 

当時の日本はそんな欧米文化を規範としていました。ベル・エポックは、いわゆる「大正ロマン」の日本の社会・文化的事象に多くの影響を与えました。




 

◆アルフォンス・ミュシャ
 
こちらはアール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナーで、現在の日本でも人気が高い、アルフォンス・ミュシャの作品集。星、宝石、花などの様々なモチーフを女性の姿を用いて表現するスタイル、そして華麗な曲線を多用したデザインが特徴です。





◆ジョルジュ・バルビエ
 
20世紀前期を代表するフランスのイラストレーター。古典を基礎に、当時流行したジャポニスム、シノワズリの影響を受けた、流麗なアール・デコ様式のイラストレーションで知られます。





 
◆鹿島 茂
 
フランス文学の研究者・大学教授でありながら小説も書くなど、幅広い文芸活動を展開している鹿島氏。ベル・エポックの挿絵の魅力に惹かれ、フランスを中心としたアール・ヌーヴォーとアール・デコの挿絵を紹介しています。
また『子供より古書が大事と思いたい』〔青土社 1996年〕を出したほどの古書好きで、コレクターとしても知られています。





平成の時代は終わりを迎え、2019年5月より新元号「令和」の時代がはじまります。
新たな時代が平和で「ベル・エポック~美しき時代」であることを祈りつつ、華麗で彩り豊かな作品の数々をぜひ間近でご覧ください。



<企画・監修>
澁川 雅俊 (ライブラリー・フェロー)

<文・写真>
結縄 久俊

 

※エントランス・ショーケースは会員制ライブラリー施設内にありますので、閲覧をご希望の際には必ずメンバーズ受付へお立ち寄りください。