記事・レポート
活動レポート
宇宙研究から学びとるビジネス感度
<異分野から学ぶビジネスエッセンスシリーズ>
活動レポート
アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート
開催日:2018年9月28日(金)
文/福岡、写真/鰐部春雄「異分野」からの学びとは?
論理的で理性的な情報処理スキルだけでは、差別化を生み出すことができなくなってきた不確実性高まる現代。これからビジネスパーソンは何を身につける必要があるのでしょうか?分析に偏重したスキルや担当業務に直結するスキルではなく、異分野から学べるビジネスパーソンが鍛えるべきスキルについて考えるシリーズの第2弾が開講しました!
宇宙研究がビジネス感度を養う?!
今回のテーマは「宇宙」です。時間的にも空間的にも遥か遠く離れた宇宙のあり方、そして宇宙に日々接する研究者の思考や経験から、私たちはビジネスにも通ずる普遍的なヒントを学べるかもしれません。受講者自ら主体的に思考をめぐらし、グループワークを通じて、どんな気づきが生まれたのでしょうか・・?
天文学は「人間の起源を知りたい」という好奇心から発展してきた!
今回ゲストには、天文学普及プロジェクト「天プラ」代表で、東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム特任准教授の高梨直紘氏をお迎えし、お話しを伺いました。
「天文学は、宇宙を理解することがその目的だと言うこともできますが、より本質的には、宇宙の理解を通じて私という存在について考えることが目的だと言えるでしょう。歴史的にも、科学は自然哲学にその源があります。我々はどこから来たのか、我々はなにものか、我々がどこへ行くのか。そのような根源的な問いに答えるための方法論のひとつが、天文学だと言えるのではないでしょうか」
138億光年の宇宙の果てまで!まるで宇宙遊泳!
つづいて高梨さんには4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」を用いて、現代天文学が解き明かした宇宙の姿を見せていただきました。このソフトは国立天文台が開発したもので、さまざまな観測データに基づいたリアルな宇宙の姿を見ることができます。地球を離れ、太陽系、星々の世界、天の川銀河・・とグングン遠ざかり、まるで宇宙旅行するかのような映像を鑑賞しました。途中では小惑星や恒星などにも立ち寄り、宇宙の不思議などともに解説頂きながら、最後は138億光年先の宇宙の果てまで到達します。
壮大な宇宙から何を学びとる?
高梨さんによるお話しの後には、参加者同士でのグループディスカッションを行いました。4~5人一組となったグループとなって、
「宇宙的な視野とはどんなこと?もしそれを持てたら、あなたの生活はどんなふうに変化すると思う?」
「宇宙を探求する研究者の思考や感性の特徴は?あなたが取り入れたいと思うことは?」
という2つの問いをキーワードに、ふだん考えることもない切り口で話し合いました。
皆さん、いつもと違う思考を刺激されたのか、議論は白熱したようです。
「宇宙的な視野とはどんなこと?もしそれを持てたら、あなたの生活はどんなふうに変化すると思う?」
「宇宙を探求する研究者の思考や感性の特徴は?あなたが取り入れたいと思うことは?」
という2つの問いをキーワードに、ふだん考えることもない切り口で話し合いました。
皆さん、いつもと違う思考を刺激されたのか、議論は白熱したようです。
皆さんのコメントをいくつかご紹介します。
「宇宙から見た自分の存在は本当にちっぽけな存在だけど、今を生きる私たちが同じ空間と時間を共有できることは奇跡。とても尊いことだとも気づかされた」
「知らず知らずのうちに、自分たちが中心の世界観を生きていたことを気づかされました」
「時空を超える巨大な宇宙を議論することで、日常のスケールを離れていくことが大切だと感じました。例えば『肯定』も『否定』もないような、正解のない世界に飛び込むことを、普段の生活にも取り入れないといけないと思いました」
「宇宙から見た自分の存在は本当にちっぽけな存在だけど、今を生きる私たちが同じ空間と時間を共有できることは奇跡。とても尊いことだとも気づかされた」
「知らず知らずのうちに、自分たちが中心の世界観を生きていたことを気づかされました」
「時空を超える巨大な宇宙を議論することで、日常のスケールを離れていくことが大切だと感じました。例えば『肯定』も『否定』もないような、正解のない世界に飛び込むことを、普段の生活にも取り入れないといけないと思いました」
「課題解決」から「課題設定」へ!
最後に高梨さんより、宇宙に接することによる日常生活への効果についてお話しいただきました。
「研究者も含め、私たちのふだんの仕事のほとんどは課題解決です。与えられた枠組としての課題があり、その課題を粛々と解くことが求められます。しかし、前例のない仕事の場合にはそうはいきません。そもそも枠組がないので、まず、なにが解決すべき課題であるのかを設定しなくてはならないのです。これはとてもクリエイティブなことです。では、なにに頼って、その創造性を発揮すれば良いのでしょうか。私が思うに、そのヒントは日常から遠いところにこそあります。例えば天文学のように、日常的に接することの少ない非日常の世界に触れることで、知らず知らずのうちに自分を捉えてしまっている思考の枠組を相対化することができるのではないでしょうか。宇宙に触れる事で、思いもよらないブレイクスルーが生まれるようなことがあれば嬉しいですね。」
「研究者も含め、私たちのふだんの仕事のほとんどは課題解決です。与えられた枠組としての課題があり、その課題を粛々と解くことが求められます。しかし、前例のない仕事の場合にはそうはいきません。そもそも枠組がないので、まず、なにが解決すべき課題であるのかを設定しなくてはならないのです。これはとてもクリエイティブなことです。では、なにに頼って、その創造性を発揮すれば良いのでしょうか。私が思うに、そのヒントは日常から遠いところにこそあります。例えば天文学のように、日常的に接することの少ない非日常の世界に触れることで、知らず知らずのうちに自分を捉えてしまっている思考の枠組を相対化することができるのではないでしょうか。宇宙に触れる事で、思いもよらないブレイクスルーが生まれるようなことがあれば嬉しいですね。」
まとめ
ビジネスは、ある意味で尺度が一元的な世界。今回、壮大な宇宙の世界観に触れることで正解のない多様さの中に身を置くことで、奥深い気付きを得て頂けたのではないでしょうか。
講義終了後には、展望台「スカイデッキ」にて実際の星々を望遠鏡でのぞく星空観望会も開催しました!
アカデミーヒルズでは、今後も「異分野から学ぶビジネスエッセンス」シリーズを企画してまいります!次回もご期待ください!
講義終了後には、展望台「スカイデッキ」にて実際の星々を望遠鏡でのぞく星空観望会も開催しました!
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