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「どのような解決策を考えたのか、それが知りたいのです。」
石倉洋子のグローバル・ゼミ(GAS)2017 3回目セッション開催!

活動レポートグローバル政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2017年08月10日 (木)

Session 3:限られた時間で分かりやすくプレゼンテーション
講師:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)
文/小林 麻実 写真/アカデミーヒルズ
開催日:2017年7月29日



第3回目となるグローバル・ゼミ(GAS)2017。いよいよ各チームは、クライアントへのインタヴュー等のリサーチを行った結果を分析し、仮説レベルでも解決策を提案するはずでした。

ところがほとんどのチームは、第1回目のセッションでクライアントから説明された課題を、そのまま繰り返して、言い直しているだけ。「クライアント/プロジェクトの内容はこうなっています。私たちは課題を探るため、この1か月の間に●●さんと会いました。○○さんとも会いました。」と日記のような内容が、パワーポイントのスライドで発表されていきました。



石倉洋子・一橋大学名誉教授は、なぜこのようなプロジェクトの進め方ではダメなのかを厳しく指摘します。「あなた方が説明したクライアントの状況は、何か月も前から皆が知っていることですよね。全然話が進んでいません。あなたちが誰と会った、何をしたかということに、私は全く興味がありません。何をみつけたのか、どのような解決策を仮にでも考えたのか、が知りたいのです。」

最初は石倉教授のコメントの意味が理解できなかった受講者たちも、どのチームにも同じ指摘がなされているうちに、だんだん顔つきが険しくなっていきました。初めのうちは、明るく楽しそうに発表を始めるチームもありましたが、終盤には発表に立ち上がるチームのメンバーには、これから待ち受ける自分たちの運命を思い、緊張感というよりも悲壮感が漂っていました。

とにかく調べたことを全部話してしまいたいと、制限時間をオーバーしようとするチーム。仮説に合わないのに無理やりピラミッド・ストラクチャーにあてはめようと、齟齬をきたす解決策を出すチーム。リサーチ結果と合わないのならば、仮説の方を変えなければいけないのに、それができないチーム・・・。

「一番重要なポイントだけに焦点を絞り、解決策をピラミッド・ストラクチャーで支える」ことを皆が理解できるよう、石倉教授はセッションの後半にサプライズを行いました。

GAS2017の通しテーマである、クライアントの課題解決チームを離れ、新たに即席の6チームを作り、その場で以下の課題の解決策を20分で作り、3分でプレゼンするのです。

①プロジェクトベースの働き方を日本企業で取り入れるうえで、組織内における最大の障壁は何か? それはどのように克服できるか?
②TwitterやFacebookは、フェイクニュースが拡散する要因ともいわれている。Facebookのザッカーバーグに直接会うとしたら何を提案するか?

とにかく解決策をすぐに作らなくてはいけない、ということを叩き込まれた皆さんは、挨拶ももどかしく、早速に濃密な議論を始めるところが多くありました。その姿は前半とは大きく違います。それらのプレゼンに、石倉教授は、トップにプレゼンする時のスタイル、解決策に現実感を持たせる方法、数字の押さえ方等を説明しながら、細かくコメントを加えていきました。

約1か月後の次のセッションまでには、今期のGASでは初めての個人課題の提出があります。どのような進歩がみられるでしょうか。
セッションの様子は石倉教授のブログにも紹介されています。ぜひご覧ください。