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シェアラウンジトーク 開催レポート
第3回“地域に密着したイノベーションをめざすテックショップ”

更新日 : 2017年07月18日 (火)

開催日:2017年6月26日 @アークヒルズライブラリー シェアラウンジ
ゲストスピーカー:有坂 庄一 (テックショップジャパン株式会社代表取締役社長)
文/神田

テックショップは2006年にアメリカで設立された会員制のDIY工房です。2016年4月には、アジア第1号店として“TechShop Tokyo”がここアークヒルズにオープンしました。近年のメイカ—ムーブメントの流れからテックショップの店舗は増え、現在は、アメリカ9箇所の他にパリとアブダビそして東京の12箇所の店舗があり、更に2年以内に世界各地に25箇所がオープンする予定だといいます。
今回のシェアラウンジトークでは、テックショップジャパン株式会社の有坂庄一さんに、テックショップは何をするところなのか、何が生まれているのかをお話いただきました。

その街で一番創造性の高い人たちが集まる場所


アーク森ビル3階のTechShop Tokyo

『その街で一番創造性の高い人たちが集まる場所をつくる』というのがテックショップの理念だといいます。東京でのオープンに向けて、いろいろな候補地からアークヒルズを選んだのは、森ビル副社長がコンペで言った「この地を日本のサンドヒルロードにする」という言葉に賛同したからだと有坂さんは仰います。「まさにテックショップの理念とぴったり合ったのです。もちろん、天井が高くて窓が大きく工房向きだったことは条件に合っていましたが。」


アイディアをカタチに出来る場所


有坂さんのスライドより
DIY工房というと日曜大工をイメージしますが、有坂さんは「あなたが思っている程DIYでもない。誰でもが持っている創造性を形にする場所です。」と仰います。
「テックショップには工作機械が50種類ほどありますが、工作機械が主役ではないのです。主役はヒト。コミュニティなんです。大企業やベンチャー、個人、学生や投資家とさまざまな人が集まり多様なコミュニティができています。アイディアを出し合ったり、技術を持っている人が補完し合ったり、アイディアのある人と投資家が出会ったりします。
単なるものづくりではなく、アイディアがあれば誰でもが形にでき、それを起業や収入につなげることができる場所なのです。だから、匠のような物づくりの場ではないのです。アイディア創出やクラウドファンディングの試作ができるかどうかまで。量産を意識した試作をして、製造につなげたり町工場につなげたりすることもあります。」

つまり、アイディア創出の場に、ニーズとシーズを集積させたいというねらいがあるのだそう。そのために、数々のイベントも開催されていて、この夏からは、作ったものや事業のアイデアをキャピタリストや新規事業のプロに対して5分間でピッチする「ピッチチャレンジ」というイベントも行うそうです。

創造性のプラットフォームを構築して、この場から日本初で世界中に売れるプロダクトやサービスを数多く創出されることを目指す

テックショップジャパンのビジョンは、アメリカのテックショップと全く同じか若干違うところもあると有坂さんは仰います。
「だれでもがアイディアを形にできる社会を実現させたい。世の中のアイディアがどれだけ形になっているかというとほとんどなっていない。形にならないでなくなっているアイディアは沢山あるんです。アイディアを形にすることをもっと一般的にしたいと考えています。

そして、創造性のプラットフォームを構築して、この場から日本初で世界中に売れるプロダクトやサービスを数多く創出されることを目指しているんです。

例えば、作る体験をしてクラウドファンディングでもSNSでもよいので発信する。そうすると発信を見た人が触発されて更に創造性の高い人が集まる。すると企業がいろんな委託をしてきたり、アイディア出しやコラボの持ちかけがあったりといったマッチングが生まれる。企業が支援してくれる場合もあるだろうし、技術を提供してくれる場合もあるかもしれない。そうするとループになっていきますよね。企業の支援で、作れる環境をさらに整えて個人の会員に還元させることができるのです。」

成功パターンを作れば世界も変えられる

「最近、コンプライアンスだとか杓子定規な人の意見が強い世の中になりすぎていると感じませんか。それを変えたいという気持ちが根本にあるんです。クリエイティブなことはフリーダムの中で生まれます。クリエイティビティの高い人が、もちろ行動力もあって才能がある人ですが、もう少し主導権をもつ世の中の方が文化的によいと私は考えているんです。年々、堅い方、堅い方に文化が進んでいる国って日本くらいしかない。それはやばいな、って思う。クリエイティブな人=フリーダムな人がもっとリスペクトされる世の中に変えたいという気持ちがあります。

テックショップは、そういう人を目指してもよいという成功パターンを作れると思っているんです。アイディアを形にしていいものが出来たら売れて毎月収入になれば成り立ちます。 社会では、副業がOKになったり、人生長くなったり、働き方もバリエーションが増えてくるし、価値観も変わってくる。“世の中をゆるくする“というのが自分が今後取り組むテーマかな。」

次回は、7月28日(金)ゲストスピーカーは インキュベイトファンド の赤浦 徹さん

有坂さんからバトンを受け継いだのは、アーク森ビル3階のKaleidoWorksに事務所を持つ
インキュベイト ファンドの赤浦 徹さんです。参加ご希望のメンバーは、メンバーアプリもしくはマイページよりお申し込みください。

シェアラウンジトーク第4回
“日本経済再生に向けたベンチャーキャピタルの挑戦”
日時:7月28日(金)19:00~20:00
場所:アークヒルズライブラリー シェアラウンジ
ゲスト:赤浦 徹さん(インキュベイト ファンド 代表パートナー)