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サントリーホールのバックステージツアーレポート

ライブラリーメンバー限定に特別開催!

更新日 : 2016年11月15日 (火)

文・写真/神田

2016年11月2日 @サントリーホール





今年30周年を迎えるサントリーホールに特別に日程を調整していただき、ライブラリーメンバー限定のバックステージツアー開催が実現しました。

11月2日午前10時20分、この冬一番の寒さの中、サントリーホール正面にライブラリーメンバーが次々と集まります。中には、興奮して前の晩あまり寝られなかったという方もいて、メンバーの皆さんの関心の高さと期待感が伝わります。

オルゴールの音が鳴り始めると同時に正面玄関の頭上から演奏する人形が登場しました。このパイプ・オルゴール、通常は毎日正午に鳴っているものですが、この日はライブラリーメンバーのために特別に鳴らしてくださったそうです。

まずは、リハーサル室で30年前に製作された映像を見てサントリーホール30年の歴史を知ります。



30年前、大のクラシック音楽ファンだったサントリーの佐治敬三氏がパイプオルガンのキーを押して音を出してスタートさせたサントリーホール。「世界一美しい響き」を目指し、設計にあたっては佐治氏と親交の深かった世界的指揮者カラヤン氏の意見が幅広く取り入れられました。演奏者がリハーサルを行う部屋で映像を見ながら、「人生に音楽があるという幸せ」というナレーションに興奮してきました。

ホワイエにはいろいろなアートが施されていて、色んな秘密が隠れていることに驚きます。シャンデリアのクリスタル、お酒もいただけるドリンクコーナーなど説明を聞きながら、メンバーは写真を撮るのにも大忙しです。

ホール完成後1988年の公演後にカラヤン氏が述べた感想は「響きの良さに感動した。まるで音の宝石箱のようだ」。記念プレート縁の音符はある曲の楽譜でした。

アーティストラウンジ、楽屋、ピアノ庫




ステージの裏にあるアーティストラウンジは、演奏者が出番までのひと時を過ごす場所。ある演奏者がロッカーにステッカーを貼ったことから、サントリーホールのステージに立つ演奏者が皆ステッカーを貼るようになったといいます。今ではロッカーだけでなく壁一面がステッカーで埋まっています。また、出演者のサインもアーティストラウンジの壁に並びます。

ピアノ庫は湿度と温度が管理されています。部屋いっぱいにピアノがあり、そこからステージ上に移動できるようになっています。搬入口から真上を見上げると、ステージの光がこぼれ見えました。

指揮者とソリストの楽屋は、並んでステージのすぐ横にあります。部屋の中はホテルの一室のようでくつろげるように工夫がされていました。指揮者の楽屋からステージまでは、わずか11歩。その導線の床はステージと同じ材質で、全くフラットになっています。これは楽屋の部屋中から緊張感を維持できるようにという名指揮者カラヤンのこだわりを実現したものだそうです。

大ホールにステージデビュー!

楽屋からステージへ。正面には、世界でも最大級のパイプオルガンが。ステージから間近に見るとその壮大さに驚きさえ感じました。ステージに立って客席を見ると、一番後ろの座席まで見ることができました。サントリーホールの大ホールは、ヴィンヤード(ぶどう畑)形式になっていて、ぶどうの段々畑のように全席がステージに向いているのです。演奏者と聴衆が一体となって、互いに臨場感あふれる音楽体験を共有することができる形式なのだそうです。ステージに立って、突き上げてくる興奮を覚えました。

ツアー参加のライブラリーメンバー全員で“ドレミの歌”を合唱!まさに、サントリーホールのステージデビューを果たしました。不思議なくらい楽しい気持ちになったのは、参加したメンバーの皆さん同じだったのではないでしょうか。サントリーホールに携わった人の思いや、今までステージに立った多くの演奏者の空気が私たちに伝わったようでした。