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音楽は国境を越えるか?音楽とビジネスの関係は?

世界で活躍する作曲家の視点!Global Agenda Seminar 2014第4回目セッション

更新日 : 2014年10月29日 (水)

Global Agenda Seminar 2014

Session 4:Creator's Mind
ゲスト:藤倉 大(作曲家)
講師・ファシリテーター:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)

文/小林 麻実 写真/スクール事務局


セッションを進行する石倉氏

事前打合せ時の石倉氏と藤倉氏

「現代音楽」と聞いて、何を思い浮かべますか? ムズカシイ、前衛的で何を意味しているのかわからない、あまり聞く機会がない・・といった印象を持つ方が、多いかもしれません。しかし、Global Agenda Seminar(GAS/グローバル・ゼミナール)第4回目のゲスト講師、作曲家の藤倉大氏が言われるように、「今、クラシック/古典と呼ばれる音楽も、作曲された当時は前衛的。それまでの常識を破り、親しみにくく、一般には受け入れられ難いと批判されていたもの」なのだそうです。何が古典的で何が現代的なのか、考え込んでしまいます。

そのように、世界の第一線で活躍する各界の第一人者から、ふだんの生活では考えたこともないようなお話を英語で伺うことができ、直接疑問をぶつけて議論できる、「石倉洋子のグローバル・ゼミナール」。今回はいつにもまして異分野からの刺激を受けるセッションとなりました。

経営戦略論を専門としながらも音楽好きの石倉洋子・一橋大学名誉教授は、「グローバルをテーマに開催しているこの講座に、“国境を越える”といわれる音楽はまさにふさわしいもの。今日はとても楽しみです。」とおっしゃり、藤倉氏が作曲を始めるようになった経緯を問いかける形でセッションを進めていきます。

「音楽はボーダレスではあるけれど、国や地域ごとの文化を乗り越えるのは難しい。」と語る藤倉氏は、常に世界中を飛び回っていらっしゃり、どこが“本拠地“ということも言えないほどだそうです。
広範囲にわたる氏のお話は、ビジネスパーソンであるゼミ参加者にとって新鮮でありながら、ビジネスとの共通点も多くうかがえるものでした。「作曲の依頼とはどういうもの?」、「どうやって”これで曲が完成した”と決めるのか?」、「生演奏と録音されたものの違いは何か?」と、ゼミ参加者からの質問も尽きません。

セッション後の懇親会にまでお話は続き、著作権と音楽配信、ITの進化、クラウドファンディング等、現代ビジネスの最先端トピックについてのディスカッションも交わされました。

「クラシック音楽よりも現代音楽の方が、より細かくスピリチュアルなレベルにまで感情や情景を表現できる。わかる、わからないは関係なく、もう一度聞きたいと思うかどうかだ。」という藤倉氏のコメントに、今を生きるビジネスパーソンがなぜ現代音楽を求めるのかを理解できたような気がしたセッションでした。