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活動レポート

風呂敷から“日本のこころ”を学ぶ

~ライブラリーメンバー限定イベント「包・結・運・開 ~ふろしきの魅力・日本のこころ~」レポート~

活動レポート

アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート
エントランスショーケース連動企画
「包・結・運・開 ~ふろしきの魅力・日本のこころ~」
開催日:2014年1月21日(火)19:30~21:00

文・写真/河上恵理


風呂敷専門店「むす美」
アートディレクターの山田悦子氏

六本木、平河町、アークヒルズライブラリーのメンバーを対象に様々なテーマでイベントを開催しています。
1月21日(火)に開催したイベント「包・結・運・開 ~ふろしきの魅力・日本のこころ~」では アートディレクターの山田悦子氏を講師にお迎えしました。

風呂敷は昔から生活の一部として、包む・結ぶ・運ぶ・開けると様々な用途として使われてきました。ルーツをひも解くと、その起源は奈良時代にまで遡ります。当時は「つつみ」と呼ばれ御物を包み保管するために使われていました。そして語源のルーツは身近な「風呂」。入浴時に衣類を包み運び、脱衣所に敷いて身支度をした布を「ふろしき」と読むようになったそうです。


「包む」「結ぶ」がもたらすものとは?

日本のこころを体験


色とりどりの風呂敷を使ったレクチャー

風呂敷には小さなものから大きなものまで、様々な大きさがあります。包むものの大きさや用途に合わせて使い分けることができるのが、風呂敷の魅力の一つ。今回は、使いやすい二幅(ふたはば:約68cm)とニ四幅(にしはば:約90cm)の二つを使い、「包む」、「結ぶ」の基本を学びました。

「包」という漢字は、母親のおなかの中に赤ちゃんがいることを意味しています。そこから、「大切である」「相手を敬う」といったことを表すようになりました。対して「結」は、無い状態から新たに命が生まれることを指します。神社などでも結び目があるものが多いのも納得です。私たちの生活に溶け込んでいる日本独特の考え方を風呂敷から垣間見ることができました。

風呂敷包みにチャレンジ!

最も格式高いのは、結ばす包む「平包み」


風呂敷一枚だけでこんなに色々作れます1
風呂敷に関するレクチャーの後は、早速風呂敷包みにチャレンジ!
まずは、一番格式が高いとされている「平包み」に菓子箱を使って挑戦しました。一見簡単に見える「平包み」ですが、大切なのは常に相手を考えること。相手に渡す時も失礼のないように配慮が必要です。包んでから渡すまでの一連の動作についても教えていただきました。

基本的な包みと結びを習った後は、応用編として風呂敷バッグや贈答用にもできるワインの包みを体験しました。一枚の布を結ぶことで、色々な可能性が見えてきます。
1300年の歴史のなかで、風呂敷は人々の暮らしを助け、そして生活を豊かにするクリエイティブなツールだったのだと感じました。

事務局スタッフもメンバ—に交じって実際に風呂敷包みに挑戦させていただきました。悪戦苦闘しながらも完成した時の感動はひとしおでした。大切な方へお土産を渡す際、さっとMY風呂敷で包んで渡せるよう、風呂敷の世界にもう一歩踏み込んでみたいと思える一夜となりました。