六本木ヒルズライブラリー

「あたらしい、お金の貯め方講座」講演レポート

~Discover Japanコラボセミナー~

更新日 : 2013年09月11日 (水)
投資というと、どこか怪しげで、そういったものには手を出さないほうがよい、と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、その考え方は安定志向のようで、実はアンバランス。そんな問題提議のもと、今回は、バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表の加藤隆氏にライブラリーメンバーを対象に「あらたしいお金の貯め方」について伺いました。投資へのイメージがかわる目からウロコのお話しでした。

そもそも「投資」のあるべき姿とは?

バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表の加藤隆氏
バンガード・インベストメンツ・ジャパン代表の加藤隆氏

投資というとどのようなイメージがあるでしょうか?
日本で考えられている投資とは、“アクセク・ガツガツ型”ではないかと加藤氏は話します。

実際この“アクセク・ガツガツ型”のことは、投資(インベストメント)ではなく、投機(スペキュレーション)を指します。価格変動を利用し、利益を得る目的で行う短期的な行為です。
本来の投資とは、「種が実となるよう応援することです」と加藤氏。

日本の金融資産の50%は預金である日本人にとって、この投機のイメージが強いために、投資を通じての資産運用に対して後ろ向きなのかもしれません。

加藤さんが薦める「インデックスファンド」とは?




加藤氏の薦める「インデックスファンド」とは、市場の平均値を狙う投資のこと。
それと比較されるのが、アクティブファンド。アクティブファンドとは、投資する銘柄を決定し市場の平均値を上回るリターンをあげる投資のことです。

市場平均を上回るリターンを目指すアクティブファンドに目が行ってしまいますが、実はそれらの中には市場平均以下の成績で終わっているものが7割以上あるといいます。

一部の投資家が市場平均を上回るリターンをあげたとしたら、同時に必ず負けた人がいます。皆が市場平均に勝つということはないのです。コストの分だけ平均以下の成績に終わる確率の方が高いと説明いただきました。そして、ある年のファンドランキングをとってみても、次の年はランキングを大幅に落としているファンドも多くあります。上がり下がりが激しいのもまた事実です。

このように考えていくと、平均を狙うことが投資では大変効率的であることがわかります。そしてもう一つの視点が、「世界分散」であると加藤氏は話します。世界の株式を買うことによって、「貧乏くじ」が排除できる、世界の平均リターンが取れるといった利点があります。

自分で特定の銘柄を決定し運用する方法と、時間も手間もかけることなく、資産を着実に増やそうとしながら、リスクの分散をはかるという方法の二つの選択肢から、自分にあった「お金との付き合い方」を見つけていくのが良いのではないかと思いました。

初めて投資を始めようと思っている方には、今回のお話しはとてもわかりやすく、考えるきっかけを与えてくれたような気がします。

こちらのセミナーシリーズは、また今後も開催です。
次回開催の際には是非ご参加ください。