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「未来」を考えるほうが、絶対に楽しい。

「街・人を変えるソーシャルデザイン」シリーズ第2回開催!

アカデミーヒルズセミナー活動レポート文化教養

アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート
開催日:2012年11月13日(火)
文/さの  写真/アカデミーヒルズスタッフ


ハセベケン氏
六本木アートカレッジの「街・人を変えるソーシャルデザイン」セミナーシリーズ。ちょっとした工夫で、日々の生活や社会の問題を考え、変えるきっかけを提供したいという思いで、丸の内朝大学、六本木農園など手がけるプロジェクトデザイナー古田秘馬さんとアカデミーヒルズのコラボレーションで開催しています。
第1回のレポートはこちら

第2回のゲストは渋谷区議会議員、green bird代表のハセベケンさんです。
8年間渋谷区議員としてどんなことをやってきたのか、実例をあげながら、お話しいただきました。最初は議会でこういうことをしたいと言っても、なかなか賛同が得られないことが多かったといいます。しかし、理想とするのは、行政 区民 企業の3者が敵対するのではなく、よい関係を成り立たせることで、社会がよりよい方向へ変わっていくこと。そこで、たくさんのアイデアの中で、まずわかりやすいことからアウトプットし、実績を作ることで、周りの信頼を得ていったといいます。



いくつかの実例の中で、まさに今回のセミナーテーマである“これまでにないコミュニティづくり”を体現していると感じたのが、「保育園の園庭芝生化の取組み」です。
全国でも広がりつつある、園庭/校庭の芝生化。子どもたちがいきいきと芝生を歩く姿を思い描けば、とてもすばらしいことだと思うのですが、「一体誰が管理するのか?」というネガティブ意見が先に来てしまい、なかなか進まなかったそうです。
そこは自分たちでやるから、と説得し、渋谷区の1つの保育園で、週末に父母や地域の人で集まって芝刈りをするという仕組みをつくり、芝生化を推進。
保育園はふだん親が仕事をしているから、親同士のコミュニティができにくいところ、この芝生化をきっかけに新しいコミュニティができています。そこには「芝生の管理」=「面倒くさい」という図式でなく、「週末、親子が一緒になって芝生を楽しむのは気持ちがいい」という捉え方、価値感の転換がありました。
green birdの「ゴミ拾い」も、この「芝刈り」も、一見単なる作業、面倒くさいことに見えることです。しかし、捉え方ひとつを変えることで、パッと前向きで、ポジティブなものに変わる、この変化をうまく見せることが、新しいコミュニティづくりに重要なことだと思いました。


古田秘馬氏

後半は、ハセベさん、古田さんの対談。
お二人が今、気になるキーワードをあげながらトークが進みます。

古田さんが挙げたキーワードに「ソーシャルトラベル」がありました。
震災前までは東北に行ったことがなかった人がボランティアに行く理由は、「何かに関わりたい」「未来に関わるために、その地域に行く」という理由が多いそうです。ほかにも、自分で収穫し、料理し、地域の人と交流できる旅行が人気な傾向もあります。旅行だけに限らず、過去ではなく、未来に向かっていることに対して興味がもたれる社会。ここでもやはり価値感の変化がおきています。

質疑応答では、反対している人を巻き込むにはどうしたらいいか、という問に対し、
「人は『未来』を考えているほうが楽しい。一緒に『未来をたくらむ』こと。一緒の想いだということを伝えると、人は同じ方向を向いていく。」と答えたハセベさん。街にも、人に対しても、目線を変える、角度を変える。横を向くだけでも景色は変わる、関わり方も変わる。そんなたくさんの前向きになヒントを得られたセッションでした!

次回の「街・人を変えるソーシャルデザインシリーズ」は、年明けに開催予定です。お楽しみに!

該当講座

シリーズ「街・人を変えるソーシャルデザイン」
“これまでにないコミュニティを作る”
ハセベケン (渋谷区議会議員/NPO法人green bird代表)
古田秘馬 (プロジェクトデザイナー/株式会社umari代表)

ハセベケン(渋谷区議会議員/NPO法人green bird代表)× 古田秘馬(株式会社umari代表)
シリーズ「街・人を変えるソーシャルデザイン」第2回。ハセベケン氏をゲストに迎えます。新しいコミュニティをつくるのは無から有を生み出すことではなく、見えない価値観をどうカテゴライズするかという、いわゆる編集作業のようなもの。今あるものをどう使うか、どんな共通項を提示すれば人が集まるのか。ハセベ氏、古田氏とともに、新しいコミュニティづくりのあり方を考えます。


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