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活動レポート

金環日食にはじまる2012年素敵な天文ショー!!

~国立天文台・渡部潤一先生のレクチャーをご紹介~

活動レポート

[アカデミーヒルズ活動レポート]
六本木天文クラブ 金の天文現象を楽しむ
開催日:5月8日(火)19:00~20:30
スピーカー:渡部潤一 (天文学者/国立天文台副台長・教授)
文/かわかみ 

1080年以来、932年ぶりの「金環日食」

~ 人口の7割が観測できる約5分の天文ショー ~


   2002年6月11日の金環日食
     (テニアン島)
  「撮影:福島英雄、坂井眞人」


六本木天文クラブでも大人気!の天文学者 渡部潤一先生
2012年5月21日の朝、「金環日食」が福島県から鹿児島県までの広い範囲で観察できます。
テレビなどでも大きく報道されるようになり、書店でも金環日食関連の書籍や、日食グラスをよく見かけるようになりました。

今、大注目の「金環日食」ですが、果たしてどのような現象なのでしょうか?
今回の六本木天文クラブは、当日も何倍も楽しめるよう、金環日食の仕組みと正しい観測の仕方について、天文クラブではお馴染みの国立天文台の渡部潤一先生に教えていただきました。

日食は、太陽の前を横切る月が太陽を隠す現象です。5/21は、月の見かけの大きさが太陽よりわずかに小さく見えるので太陽の周囲がリング状に光って見える「金環日食」となります。
逆に月が地球に近く見かけの大きさが太陽より大きい場合、「皆既日食」となります。月は地球の周りを少し傾いた軌道で周っているため、この2つの現象が観測できるポイントはその都度異なり限定されます。
そのため、今回の日本の多くの人が観測できる「金環日食」は非常に稀な現象なのです。是非、5/21(月)の朝、東京であれば6時31分59秒~7時37分までの5分間・・・東の空を見上げてみてください!

☆ 観測には注意が必要です!! ☆
太陽の光はとてもまぶしい上に、熱線として高いエネルギーを持つとともに、目に有害な波長の光も含まれています。直接見ることによって、日食網膜症になった方もいらっしゃいます。金環日食を観測する際は、必ず「日食グラス」を使用してください。また、「この天文現象を是非写真に撮りたい!」という方も、間違ってファインダーをのぞかないように気をつけてくださいね。
正しい観測の方法は、国立天文台のHP でご確認ください。


6月に「金環日食」より稀有な天文現象が起こる!? 

~ 伊能忠敬の測量を証拠付けた天文現象 ~

そして2012年は金環日食よりも実は稀有な天文ショーがあります。
6/6の7時~14時にかけて、金星が太陽面を通過します。視力の良い人なら「日食グラス」でも観測できるそう。この金星の太陽面経過は約100年に一度地球で観測できる天文現象のため、6/6の世界中から多くの天文学者や天文ファンが来日するそうです。

金星の太陽面経過は、地球上の違った地点で観測・測定することで、太陽と地球の間の距離を知ることが出来る大変貴重な機会とされてきました。なんと、明治時代に起こった金星の太陽面通過によって日本の経度が決定し、伊能忠敬の測量が正しいことを証明されたそうです。そんなサイドストーリーも交えながら渡部先生のレクチャーは進みます。

渡部先生は、この広い宇宙で起こる現象は一期一会だと話します。軌道も距離も大きさも異なる星が織りなす一期一会のショー。そう思うとなんだかふと空を見上げたくなりますね。

六本木天文クラブでは、宇宙の不思議や天文現象についてわかりやすくそして楽しく学べるような講座を今後も開催いたします。
初心者の方も是非ご参加ください!

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