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世界の食料問題の解決を志向しながら、ビジネスを拡大するために、何が出来るのか?

更新日 : 2012年07月18日 (水)

[Global Agenda Seminar 2012]開催レポート
世界の食料問題を考える ~Tackling the world's food crisis~

ファシリテーター:石倉洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)

文/小林麻実 写真/スクール事務局



最終回を迎えた [グローバル・アジェンダ・ゼミナール 2012] 第2タームは、各参加者が提出した修了レポートを基に、英語で活発なディスカッションを行ないました。

テーマは「世界の食料問題の解決を志向しながら、食品関連企業(もしくは自分が勤務する企業)のビジネスを拡大するために、何ができるかを提案する」というもの。

なかなか、この2つを両立するのは難しいのでは・・?


ファシリテーターの石倉洋子氏


参加者はこれまでの講義や討論を振り返りつつ、個人個人で提案をまとめます。

一般的なセミナーの最終回では、それぞれの参加者に数分程度の時間が同等に与えられ、各自でプレゼンテーションを行なうことが多いかと思います。

しかし、石倉洋子・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授は、ダボス会議等の数々の国際会議でファシリテーションを行ってきた経験から、より、実践的なセッションを参加者に対して持ちかけました。

すなわち、幾人かのプレゼンテーターに自分の提案の趣旨を要約させながら、それに関連する事項について、他の参加者が議論を重ねていくというものです。

「この話については、あなたも同じ問題意識がありますよね。では、あなたが彼と違っているところはどこですか? それを強調してあなたの提言を説明して下さい」と、突然、ある参加者に問いかける石倉教授。



修了証を受け取るゼミ生
他の人のプレゼンテーションを、注意深く聞いていなければ、教授から指されても、何も答えられなくなってしまいます。

いつ、どこで、どのような切り口から自分の主張を展開することになるのか、事前に予測することは全くできません。

「他の人の話を聞きながら、それがどのように自分の主張と違うのか、どこが同じなのかを常に考えなさい。そのことによって、あなたの"独自性"が明らかになるのだから。違いの背景を掘り下げていくことから、解釈や前提条件の何が違うのかが明らかになり、より良い解決案を考えられるようになる。」とは、石倉教授からのコメント。それをサポートするように、各自の発言について、丁寧な指導がなされます。

参加者は戸惑いながらも、次に何が起こるか予想できない国際会議の中で、自分の主張を展開するという次元に、仲間たちと共に一歩を踏み出していきました。

「世界レベルで活躍するということが、いかに日常の仕事とは違うのか、実感できました」という参加者の声が、とても心に残った最終回でした。

[グローバル・アジェンダ・ゼミナール 2012]は、9月より第3タームを開始します。