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東日本大震災は日本をどう変えるか!

~ジェラルド・カーティス教授の政治シリーズ 第1回~

ライブラリートーク

【ライブラリートーク・レポート】
カーティス教授の政治シリーズ 第1回 「東日本大震災は日本をどう変えるか」
スピーカー:ジェラルド・カーティス(コロンビア大学教授)
2011年4月26日(火)開催

スピーカーのカーティス教授
スピーカーのカーティス教授
2006年にスタートした「カーティス教授の政治シリーズ」も、今年で6年目に入りました。毎回150名近いライブラリーメンバーが参加する人気シリーズ。通算して16回目にあたる、今年第1回のテーマは「東日本大震災は日本をどう変えるか」。

3.11、震災当日は、ニューヨークにあるご自宅のCNNで第一報を知ったカーティス教授。心配でいてもたってもいられない心境だったとのこと。
4月中旬に日本へ来られたときは、成田空港の動く歩道もエスカレーターも全て節電のために止まっていたのを見て、「あらためて日本人の真面目さ、勤勉さに心打たれた」と、お話くださいました。

では、一体アメリカは、東日本大震災、そしてこれからの日本をどのように見ているでしょうか。日本文化への造詣が深く、日本の政治の専門家であるカーティス教授にお話いただきました。

「本当の友達がやられた!」と、多くのアメリカ人が心配している

カーティス教授の話を真剣に聞くメンバー達
カーティス教授の話を真剣に聞くメンバー達
東日本大震災後の日本、そして日本人に対して、アメリカは2つのことを感じているとのこと。
①日本人の勤勉さ、辛抱強さ、助け合いの精神は、日本の文化のレベルが高い証拠であり、正に“日本人のDNA”である。
②こんなに素晴らしい国なのに、どうして「こんな政治」を許しているだろうか?

東京電力の危機管理体制の不十分さと、政府からの情報発信の不十分さに、米国メディアは苛立ちを感じ、東京電力と政府を同じ、連携している仲間だと理解していたようです。
しかし、カーティス教授は、「55年体制、自民党が作った体制、つまり“企業と官僚の癒着”が問題。東京電力と経済産業省の繋がりが強すぎて、政府に情報が入ってこなかったことが問題。」、「政治主導とは、政治家が動くことではなく、政治家が官僚を動かすことである。」と、ご説明くださいました。

日本の政治に対しては厳しい見方をしているアメリカも、日本人に対しては、多くのアメリカ人は、日本のことを本当に心配している、友達が本当にやられたと感じていると、カーティス教授はお話されます。

これは、日本の変えるチャンスである! 有権者は“傍観者”であってはいけない。

会場からの質問を受けるカーティス教授
会場からの質問を受けるカーティス教授
ただ、カーティス教授は「日本人は危機意識が薄れているのではないか。今は大変だけど、あともう少したてば経済も持ち直し、元の戻ると思っているのではないか? 今回の震災は、“今までの日本を変えるチャンス!”と捉えるべきだが、新しい日本を創るという意気込みが感じられない。」と懸念されています。

「2万人以上の犠牲者を出したにも関わらず、日本が変わらなければ、犠牲者は“ただの犠牲者”になってしまう。新しい日本を創ってこそ、犠牲者の方々がうかばれるのではないか!」と、震災から1ヶ月半が立ち、通常に戻りつつ今の現状をみて、カーティス教授が感じられたことでした。


「ジェラルド・カーティス教授の政治シリーズ」は、第2回を6月、第3回を7月に開催する予定です。お楽しみに!

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