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活動レポート

全参加者の感想を互いに聞けば、教えられることばかり

~ひとつの物語を様々な視点から楽しむことを教えられました~

ライブラリートーク

【ライブラリートーク・レポート】
朗読と楽しむ日本の文学-野上弥生子『茶料理』
スピーカー:阿武 秀子(評論家)
朗 読:遠藤 由美(俳優)
2010年12月17日(金)開催

(左)阿武秀子さん/(右)遠藤由美さん
(左)阿武秀子さん/(右)遠藤由美さん
ひとつの短編を解説、朗読、全参加者のコメントと、様々な角度で読み込んでいくうちに、最初は小さかった物語が、まるで綿飴が広がっていくかのように、細かな糸を紡いで育っていくのを感じました。

毎回好評の「朗読と楽しむ日本の文学」。今回取り上げたのは野上弥生子の短編、『茶料理』。
学生時代に好きだった人との束の間の再会を描いた、大正時代の物語です。

今も変わらない上野・東照宮あたりの佇まいと、それとは対照的に大きく変わってしまった風物や人々の習慣。現代の私たちからは遠くなってしまった暮らしぶりは、読み手にとっては多少の違和感が残ります。



グレートブックスライブラリーでの開催
グレートブックスライブラリーでの開催

評論家の阿武(あんの)秀子さんは、そんな時代性を背景にしながらも、いつも変わらない人の心の動きを、やさしく紐ほどいていきます。
俳優の遠藤由美さんの美しい朗読を、40名程のライブラリーメンバーだけで独占できるのもこの「朗読と楽しむ日本の文学」シリーズの大きな魅力。

今回は阿武さんの指示のもと、参加者全員がこの物語の感想を述べ合いました。阿武さんの巧みなファシリテーションによって、自分の隣に座っていた人が、全く正反対の感想を持っていることに驚いたり、自分では気づかなかった視点に感心したり。

-この場に集まる人によって、まったく新しい物語の読み方に気づく-
とても贅沢な時間が流れていきました。

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