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「世界のアンドー」の発想力と実行力はどこから生まれたのか

アカデミーヒルズセミナーその他
更新日 : 2008年02月28日 (木)

第7章 好奇心こそ、青春。青春こそ、実行力

安藤忠雄

「海の森プロジェクトを通じて、日本に「経済大国」という顔だけでなく、もうひとつの顔をつくりたい」と安藤は語る。2007年7月から予定地に苗木を植え始めた。小さな苗木も5年間で5 メートルに育つ。石原知事は小学校の校庭を芝生にし、電柱はすべて地中埋設すると宣言した。東急電鉄は線路脇の緑化を進めている。強いリーダーシップのもとにいろいろなことが動き出している。

安藤の発想は地球規模だ。海の森プロジェクトも「建築を通じて学んできたことを、少しでも地球のために役立てたい」との想いから。阪神淡路大震災の後、被災地に白い花の咲く木を植える運動を推進してきたことや、9.11テロの跡地をメモリアルパークにという提案も記憶に新しい。

安藤は地球環境や世界を視野に入れ、社会に夢や希望を提示する建築家である。

安藤忠雄
——青春は年齢とは関係ない。夢や好奇心がある間は青春なんです。そして青春が実行力を生み出すのです。夢や目標は自分で設定できるし、自分のなかに夢や目標を持てばなんでもできる。一人ひとりが自分のなかに夢を見出し、生きる力、考える力を養ってほしい。——

安藤はそう締めくくった。安藤忠雄の発想力と実行力の原点はここにある。

(文・フリーライター 太田三津子)