六本木ヒルズライブラリー

オープンイノベーションの成功の鍵は「win-win」の関係作り!
メンバーズ・コミュニティ「コーポレート・スタートアップ研究会」コラボイベントレポート

更新日 : 2018年10月10日 (水)

  
メンバーズ・コミュニティとは?
 
ライブラリーメンバーが自主的に集まり、共通のテーマにもとづいた意見交換・勉強会を通して交流を図る「メンバーズ・コミュニティ」。読書・英語・旅行・武術、他にも様々なジャンルのコミュニティが活動しています。
8月下旬には体験会も実施され、たくさんのメンバーの方にお越しいただきました。
 




大企業×スタートアップの「今」を知る
 

「コーポレート・スタートアップ研究会」は、企業のベンチャー投資およびスタートアップの資金調達などを支援するライブラリーメンバー・⻄村紳さんによって 2018年8月に新しく立ち上げられたメンバーズ・コミュニティ。

今回は西村さんをファシリテーターに、「コーポレート・スタートアップ研究会」とライブラリーのコラボイベントとして開催されました。

ご登壇いただいたのは、ベンチャーファイナンスが専門の保田隆明さん(神戸大学)、コーポレートアクセラレーターを運営し、実際に大企業とスタートアップのマッチングを推めるゼロワンブースターの合田ジョージさん、大企業と連携して保育士の負担軽減や保育の質向上に繋がるサービスを展開するユニファ株式会社の土岐泰之さん。

業界の全体像を俯瞰しつつ、現状では何が起こっているのか、オープンイノベーションを実らせるためには何が必要なのかなど、具体的な事例を挙げながらのディスカッションが展開します。
オープンイノベーションの必要性が叫ばれている昨今ですが、実際のところはなかなかうまくいかないことも事実。大企業とベンチャーの協業により、いかにすればwin-winの形を創ることができるのでしょう?
 
 
 

保田さん
・米国に比べて日本は企業の利益率が低い。そして起業教育がなされていない。
・大企業としては成長するベンチャーを内部化したいという思いがある。
・以前に比べクラウドファンディングなど、株式以外の資金調達環境が良くなっている。

合田さん
・「金融機関×農業支援」「製菓会社×AR」といった、大企業とベンチャーの新たな協業が起こっている
・自社が持っているリソースを、遠い業態とつなげること。そのために必要な人材とは?
・エコシステム(協業モデル)の構築が求められている。

土岐さん
・保育園事業を、IOT・AI・ロボットなどのテクノロジーを用いた「スマート保育園」化することで、業務の仕組み化、負担軽減、保育の質向上を企図。
・ベンチャーの力だけでの事業は難しい中、大企業と連携することで、全国の保育園への事業展開が可能になった。
・スタートアップと大企業の連携がこれからますます必要になるだろう。
 

 

「スタートアップにとってはチャンス」

続いてパネルディスカッション。様々な論が展開します。

— まず日本においての起業ができる環境づくりが必要で、文化的・社会的に未だ起業自体が受け入れられていない中、大企業とスタートアップが連携するための課題は多数ある。

— 大企業×スタートアップの連携において、お互いの強みがあるか、組む必要があるかを考え抜くことが重要。

— 現在は双方をマッチングさせる人材が不足している。

— 企業間の競争がまだ低調な今は、スタートアップにとってはチャンス。
 
 
   
 
 
「優秀な人材とは?」

質疑応答タイムで印象的だったのは、現役大学生の方からのこんな質問。

Q.皆さんのお話の中で「優秀な人材」というワードが出てきたのですが、優秀とはなんですか? 優秀な人材ってどういう人のことですか?
A.
— 行動力がある。
— 課題の解決は誰でもできる。それよりも課題発見ができること。
—「自分はこの問題を解決するために生まれてきたのでは?」と、社会問題と自分の人生を紐づけることができる。
— 事業が失敗しても後悔しない、そのようなテーマが見つけられるか。




「大企業×スタートアップ」という今注目のトピックについて、現場のリアルなお話を伺うことができました。

これからどのような企業間の連携が起こり、思いもかけないようなイノベーションが世に現れてくるのか? 幅広い視野と、課題を発見するアンテナを張ることの重要性が、ますます増していくようです。
 
 
 

 
【ライブラリーイベント】
「大企業×スタートアップ」でイノベーションは実現するのか?
~MC「コーポレート・スタートアップ研究会」コラボイベント~

【文・写真】結縄  【開催日】2018年9月20日(木)