2015年06月17日 (水)  19：00～21：00

【概要】
2010年度に創設された「ビジネス書大賞」は、『もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や『経営戦略全史』等、各年を代表するビジネス書を選出し、大きな話題を集めてきました。

この程決定された「2015年ビジネス書大賞」は、『ゼロ・トゥ・ワン』です。この選考過程においては、グローバル企業の経営者や投資家によるリアルで本格的な翻訳書が、多くのビジネスパーソンに読まれていることに注目が集まりました。ビジネスを取りまく環境がめまぐるしく変化するこの時代だからこそ、海外の多様な事例や考え方を取り入れるようなある種の教養としてのビジネス書が求められているのではないでしょうか。

2015年「ビジネス書大賞」の授賞式/記念トークセッションでは、日本語版の翻訳者である関美和さん、長文の序文を寄せた瀧本哲史さん、編集者の松島倫明さんという当代の目利き人から、ビジネス書と海外ビジネストレンドについてお話頂くことになりました。

一般には公開されないクローズドなこのトークイベントに参加できるのは、投票も可能であったライブラリーメンバーだからこそ。

世界の最先端のビジネストレンドを知る第一人者たちのトークは、私たちに俯瞰的な視座で世界を読みなおすことを教えてくれるでしょう。

【2015 ビジネス書大賞 受賞作】
■大賞■　『ゼロ・トゥ・ワン』ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ
目先の「テクニック」ではなく、ピーター・ティールという稀代の起業家が持つ「哲学」と「思想」を伝えたというスケールの大きさに加え、多くの読者の起業 家精神を刺激したという長期的な貢献も評価された。

■準大賞■　『How Google Works』エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ
Google という誰もが知る有名企業の働き方の本質を、現会長自身の手で、明日にでも活かせる実践的・具体的内容にまで落とし込んだ点を評価された。

■書店賞■　『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン
多くのビジネス書のエッセンスを凝縮したかのような濃密な内容に、特に現場に立つ書店員のみなさまから多くの支持が寄せられたため、書店賞受賞となった。

■審査員特別賞■　山形浩生　氏　『21世紀の資本』等翻訳者
出版業界の枠を超えて社会現象とまでなった『21世紀の資本』をはじめ、数多くの経済書・ビジネス書の翻訳を通じて日本社会に貢献した功績が評価された。


【登壇者】

翻訳家。杏林大学准教授。
主な翻訳書に、『ジョナサン・アイブ』(日経BP社)、『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』(プレジデント社)、『ハーバード式「超」効率仕事術』(早川書房)、『シェア』『MAKERS』『ゼロ・トゥ・ワン』(共にNHK出版)などがある。

京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。
エンジェル投資家。
東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーで、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。独立後は、企業再生やエンジェル投資家として活動している。著書に『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』(共に星海社新書)、『僕は君たちに武器を配りたい』[2012年ビジネス書大賞]『君に友だちはいらない 』(共に講談社)などがある。

書籍編集者。
NHK出版 放送・学芸図書編集部チーフエディター。
村上龍氏のメールマガジンJMMやその単行本化を手がけたのち、現在は翻訳書の版権取得・編集・プロモーションに従事。ノンフィクションから小説までを幅広く手がけている。代表的なタイトルに『フリー』『シェア』『MAKERS』『ゼロ・トゥ・ワン』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『BORN TO RUN』などがある。最新刊は『マインドフル・ワーク』。