六本木ヒルズライブラリー

ダリ、マリーローランサン、金子國義…様々なアリスと出会うブックトーク

【スピーカー】澁川 雅俊 (ライブラリーフェロー)

ブックトーク

【ライブラリーメンバー・一般対象】事前のお申込みは不要です。当日会場へお越しください。

※ライブラリーメンバー以外の方もビジターチケット(2,000円)にて、参加いただけます。

日時

2011年09月01日 (木)  19:15~20:45

終了しています

内容

【概要】
‘アリス’は今から1864年にオックスフォードで生まれ、1910年に来日しました。ですから私たち日本人がこの少女に出会い、そして馴染んで百年経ったことになります。そして今年は彼女の物語が日本語で読まれて2世紀目の最初の年に当たります。
 彼女が生まれた時代は、英国ではヴィクトリア朝の最盛期、米国では南北戦争の最中、日本では幕末の真っ直中でした。彼女が初めて日本に来たのは明治の終わり頃で、世相一般はともかく、志賀直哉や武者小路実篤らが『白樺』を、永井荷風が『三田文学』を創刊するなど、文芸の新しい世界が拓かれようとしていた時代です。

 アリスはこの国で最初は「愛ちゃん」という名前で紹介されました。そしてこの百年間に、芥川龍之介と菊池寛はじめ30人ほどの作家や画家や翻訳家などが彼女の物語を、それぞれの想いを込めて本にしてきました。
そのことを邦訳とせずに、少々持って回った表現をしたのは、文学の受容というテーマが念頭にあったからです。
発表された当時にもて囃される物語はたくさんあります。しかし、何世代にもわたって読み継がれる本はそう多くはありません。それらを「古典」ということばで一括りにしてしまうのは、少々‘投げやり’です。

今回はアリスの物語に限って、なぜこれがロングセラーなのかを意識しながら、アリス本の数々を、実際に手にとって、皆さんと一緒に考えてみることにしましょう。
 なおそれらのアリス本は、ライブラリー・メンバーの個人蔵書ですが、お借りして9〜10月にエンランス・ショーケースに展示する予定です。今回のブックトークは、展示本の事前の内覧会を兼ねています。

澁川雅俊フェロー【プロフィール】※過去のブックトークレポート

これまでのブックトーク開催情報