六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2016年12月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?

『自分の時間を取り戻そう』
 ちきりん【著】


時間がない!仕事が終わらない!と嘆いても、過ぎゆく時間は待ってくれません。人に与えられた時間は誰においても平等、1日24時間、1週間で168時間。そのうち自分の意思で選択し、有効に使っている時間はどれくらいあるでしょう。


本書はいわゆる時間術のノウハウ本ではありません。筆者によるところの「高生産性社会」にシフトしつつある現代を生きていくうえで、より高い生産性を産みだすためにはどうすればよいか? が語られます。


たとえば自家用車の空き時間を使って運賃を稼ぐUber、空き部屋を宿泊場所として貸し出すAirbnbなどは、今までの社会において「使われていなかった=遊んでいた」箇所に着目し、価値あるものに変えました。ひとつの新たな視点「生産性」を持つことで、まだまだ掘り起こすべき価値(まだ目に見えていない新たなビジネス)に気付きます。


個人レベルで考えてみれば、自分の時間の使い方はどうか、本当にやりたいこと・欲しいものを認識し、そのために時間とお金(有限な資源)を費やしているか。逆説的ではありますが、「仕事の時間を減らす」ことで、少ない時間でより高いパフォーマンスを出すための方法を考えるようになり、結果残業もなくなり、自分の時間を取り戻すことができる! ハッピーです。


IT技術や人工知能の発達により、今までのワークスタイルは変化を強いられることが予想されます。現状の自分を見つめ直し、よりアップグレードするためのキーワード「生産性」。身につけておきたい視点です。

(ライブラリアン:結縄 久俊)


自分の時間を取り戻そう

ちきりん
ダイヤモンド社