六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2016年8月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
『<インターネット>の次に来るもの~未来を決める12の法則』
ケヴィン・ケリー【著】
<インターネット>
…世界中に張りめぐらされたネットワークを、相互に接続して構築されているネットワーク。
もとは「Internet」と頭文字が大文字表記されていましたが、つい最近「internet」と小文字表記が標準となったそう。それはインターネットの一般名詞化、つまりインターネットが電気や電話と同様、人々の生活に空気のように浸透したことを表すエピソードといえます。
たとえばスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したのが2007年。インターネットは手のひらサイズの、より身近なものになりました。それからまだ10年と経っていない今、私たちは少なからず現在の生活において、何かしらネットに関わらざるを得ない世界に生きています。
…世界中に張りめぐらされたネットワークを、相互に接続して構築されているネットワーク。
もとは「Internet」と頭文字が大文字表記されていましたが、つい最近「internet」と小文字表記が標準となったそう。それはインターネットの一般名詞化、つまりインターネットが電気や電話と同様、人々の生活に空気のように浸透したことを表すエピソードといえます。
たとえばスティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したのが2007年。インターネットは手のひらサイズの、より身近なものになりました。それからまだ10年と経っていない今、私たちは少なからず現在の生活において、何かしらネットに関わらざるを得ない世界に生きています。
本書の原著タイトル『THE INEBITABLE』は、「不可避」という意味。各章のタイトルは「becoming」「flowing」「remixing」と、それぞれが現在進行形であり、それらが「避けられない」としています。
たとえば第1章「becoming」。あらゆるものは「なっていく」。日々使用するデバイスは、ユーザーが好むと好まないとにかかわらずアップグレードし続けなければ使えなくなります。たとえば今秋リリースが予定されているiOS10では、iPhone4sのサポートがされないそう。気付けば後戻りができない現代は「becoming=なっていく」状態にあります。
まるでSFとは言い切れない「不可避」な未来の姿。筆者は変わり続ける世界のゆくえを、エキサイティングかつ楽観的に語ります(逆にそれが怖くもあるのですが)。
誰しもに訪れるであろう未来。いかなる未来が来ようとも、その未来を見据えながら、まさに今この瞬間の今日という日を生きる大切さが、むしろ身に染みるのです。
ジョブズはiPhoneとともに、こんな言葉も残しました。
「あなたと僕は未来をつくるんです」
そして本書は「beginning」という終章で締められています。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
〈インターネット〉の次に来るもの—未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー : 服部桂NHK出版
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