六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2016年5月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?

これからの時代を生きていくために必要な思考法とは?

『未来に先回りする思考法』佐藤 航陽【著】


15年ほど前、SEをしている友人が、「人間っていうのは、猿から進化して、コンピューター(アンドロイドやロボット)に至る、進化の中継点みたいな存在なんだと思うよ」と言っていました。
SFだなあと、その時は思ったのですが、最近目にするワードを眺めていると、友人の言葉が現実味を帯びてきたと感じざるを得ません。

ITから始まるテクノロジーが飛躍的進化を遂げている現代、社会を取り巻くルール・構造自体が次々と変わりつつあります。
例えば2015年は人工知能元年といわれ、各国のグローバル企業が本格的に事業参入を表明した年でした。そして現代は、自動運転や宇宙開発が本格化され、国家以上の力を持つようになったグローバル企業が、国境を越えて事業展開をしています。


くわえて、新たなテクノロジーにかんするワード(AI、VR、IoT、他にもたくさん)も、次々と耳に入ってきます。

はたしてそれらは私たちの生活にどのようにかかわり、どのように変えていくのでしょう?
そして、そんな時代のこれから先を生きていくためには、どのように思考すべきなのでしょうか?

そんな疑問、不安に対して、現時点での明快なアンサーが書かれた一冊。
「常に原理から考え、テクノロジーの今を知り、タイミングを見極める。」
多くの示唆に富んだ本書。おすすめです。
(ライブラリアン:結縄 久俊)


未来に先回りする思考法—テクノロジーがすべてを塗りかえる

佐藤航陽
ディスカヴァ−・トゥエンティワン