六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2016年3月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
『緊張をとる』伊藤 丈恭【著】
「緊張してない!」と自分に言い聞かせるほど、どんどん緊張してしまう。そんなことってありませんか。
会議やプレゼンなどで話をする際、しっかりと準備をして何度も練習したのに、人前に出た途端に硬くなってしまう…。失敗をしてはいけないと思うほど、頭が真っ白になってゆく…。
本書はそんな「緊張」を「とる」ことがテーマ。タイトルはそのまま『緊張をとる』(わかりやすい!)。
「人前で話をする」ことを説く本はたくさんありますが、本書が他と違うのは、そのアプローチが「演劇的手法」を用いていること。プロの演劇トレーナーとして演技手法を指導する著者が、「緊張」の核心にせまります。
緊張はおもに、能力や人間性への評価、誤解されたくないという思いなどの「自信のなさ」が原因。そのせいで硬くなったり、感情が思うように出せなくなります。まずはそのことを理解したうえで、緊張を「瞬間的緊張」と「慢性的緊張」にわけ、肉体的・精神的アプローチで軽減していくのです。
会議やプレゼンなどで話をする際、しっかりと準備をして何度も練習したのに、人前に出た途端に硬くなってしまう…。失敗をしてはいけないと思うほど、頭が真っ白になってゆく…。
本書はそんな「緊張」を「とる」ことがテーマ。タイトルはそのまま『緊張をとる』(わかりやすい!)。
「人前で話をする」ことを説く本はたくさんありますが、本書が他と違うのは、そのアプローチが「演劇的手法」を用いていること。プロの演劇トレーナーとして演技手法を指導する著者が、「緊張」の核心にせまります。
緊張はおもに、能力や人間性への評価、誤解されたくないという思いなどの「自信のなさ」が原因。そのせいで硬くなったり、感情が思うように出せなくなります。まずはそのことを理解したうえで、緊張を「瞬間的緊張」と「慢性的緊張」にわけ、肉体的・精神的アプローチで軽減していくのです。
装丁のゆるいイラストに油断してしまうのですが、書かれている内容はなかなか高度なアプローチ。やわではありません。が、戯曲形式で展開する、元大物女優の「ママ」と、なかなか緊張が抜けない「主人公」が繰り広げる物語が、脱力&ユーモアにあふれ、サクサクとおもしろく読めてしまうのです。
個人的な話になりますが、わたくし以前舞台俳優をしていました。なので、そのときに知っていれば!という手法がたくさん紹介されています。たとえば「緊張していると認めるほうが緊張がとれる」など、思わず「そうだったのか!」となります。
特に巻末にある『物語で紹介された「緊張をとる」エクササイズ』は、すぐに実践できておすすめ。あとは物語に身をまかせ、えいっとその一歩を踏みだし、緊張とオサラバ!しましょう。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
緊張をとる
伊藤丈恭芸術新聞社
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