六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2015年11月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
真摯で誠実な自伝的エッセイ
『職業としての小説家』村上春樹【著】

小説家・村上春樹による、自身の職業について、真摯に誠実に、開かれた心で書かれた自伝的エッセイ。
今までの作家人生から、独自の文体、創作の秘密について。そして書き続ける原動力とは。
ファンならずとも知りたいそれらの問いを、決して結論を急ぐことなく、地道に、頑固に、ひとつところにとどまって考え続けます。時にマーラーのクラシックや、セロニアス・モンクのジャズに乗せ、あるいは漱石やヘミングウェイ、カフカの名を連ね、読者に伝えようとするイメージを、縦横多角に照射します。
今までの作家人生から、独自の文体、創作の秘密について。そして書き続ける原動力とは。
ファンならずとも知りたいそれらの問いを、決して結論を急ぐことなく、地道に、頑固に、ひとつところにとどまって考え続けます。時にマーラーのクラシックや、セロニアス・モンクのジャズに乗せ、あるいは漱石やヘミングウェイ、カフカの名を連ね、読者に伝えようとするイメージを、縦横多角に照射します。
深い内省を通して見えてくるもの
収められている文章は、元々特に掲載予定などはなかったそうです。「小説家」というものについて、一度きちんと考えておく必要があると、赴くままに書き溜めていた文章が、のちに文芸誌「MONKEY」に掲載されたことに始まり、さらに書きおろしを含めて一冊にまとめられました。
深い内省を通し、より奥へ、その先へ。いわゆる「井戸に下りていく」行為を通して、ひとつひとつを時間をかけて作りこんできた独自の小説世界。彼自身のみが獲得し得たその場所を明らかにし、さらにその先を目指そうとする、「新しい未知の大地」に向け、ひとつの宣言のような形でもって、惜しげもなく披露される言葉たち。
時において、自分が今まで歩んできた道を、鳥瞰的に見つめなおす行為の大切さを感じました。今まで何を成し、そしてこれからどうしていくのか。更にその先に進んでいくためにも。
時において、自分が今まで歩んできた道を、鳥瞰的に見つめなおす行為の大切さを感じました。今まで何を成し、そしてこれからどうしていくのか。更にその先に進んでいくためにも。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
職業としての小説家
村上春樹スイッチ・パブリッシング
MONKEY vol.2(SPRING 20
柴田元幸スイッチ・パブリッシング
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