六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2023年10月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

『日本のコミュニケーションを診る』、『見えないから、気づく』など、新着本からお薦め書籍をご紹介します。






「助けてほしい」「愛されたい」「認めてほしい」といった
人間の感情は、文化が違っても変わらない。
しかし、日本社会には独特の生きづらさがある。
それは何か ? なぜそうなるのか ? と問いかける著者。
 
たとえば、「頑張る」「勝ち組」「建前」「気疲れ」といった概念は、
日本で育った人にとっては当たり前過ぎて、
説明が難しいところがありますよね。

イタリア人の精神科医である著者は、
それらの概念を日本文化の外にあるものと比較することによって、
内側からは見えにくい「日本の慣習」を明らかにしていきます。
もっとよりよいコミュニケーションをとってほしい、
という著者からのアドバイスが光ります。




まさかこんなことで ! と思うような些細な事故から、
子どもの頃に失明した著者。
 
スポーツの得意な彼女が「目が見えない自分」を受け入れ、
社会に蔓延する「なにかあったらどうするんだ症候群」と
闘いながら、世界を拡げていく姿には驚きます。


周囲の人の善意を引き出すのも、幸運に出逢うのも、
「負けず嫌い」な著者の意思の力があってこそですね。
絶望や喪失は絶対的なものではないと、
実例で教えてくれました。

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



日本のコミュニケーションを診る

パントー・フランチェスコ
光文社

見えないから、気づく

浅川智恵子
早川書房

宇宙に質量を与えた男 ピーター・ヒッグス

フランク・クローズ
早川書房

命の嘆願書

井手裕彦
集広舎

これまでの経済で無視されてきた数々のアイデアの話

カトリーン・キラス・マルサル 
河出書房新社

リサーチのはじめかた

トーマス・S・マラニー
筑摩書房

The Power Law ベンチャーキャピタルが変える世界

セバスチャン・マラビー
日経BP

パイを賢く分ける : イェール大学式交渉術

バリー・ネイルバフ
早川書房

中井久夫 人と仕事

最相葉月
みすず書房

生ハムのマニュアル

ヘスス・ベンタナス・ベロッソ
ごま書房新社

死者宅の清掃

キム・ワン
実業之日本社

生命 最初の30億年

アンドルー・H・ノール
光文社