六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2022年2月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

『Anthro Vision』ジリアン・テット(著)、『ミャンマー金融道』泉賢一(著)、など、新着本からお薦め書籍をご紹介します。 




米国の石油会社の倉庫で、作業員たちは「満タン」と表示されたドラム缶を慎重に扱っていた。しかし「empty」と書かれたドラム缶の周りでは、平気で煙草を吸っていたという…。

当然だと思うかもしれませんが、実は、「empty」と表示されたドラム缶には石油が入っていないだけで、燃えやすい可燃ガスが一杯入っていたのです。

この場合、少し缶のラベルの表示を変更しただけで、火災事故の発生率は劇的に変化するでしょう。

そのように、誰もが当然と思うことに潜む、思い込みや刷り込みを人類学の観点を応用して見つめ直す本書。
視野を拡げてくれると、海外で話題になっています。
 
中小企業への融資は、経済の動脈を動かすもの。 そのような信念とエキスパティーズを持つ著者が、降り立った国はミャンマー。

銀行システムに馴染みがなく、むしろ反感を持たれるような国で、市民のために、ゼロから保証制度を作り上げていく面白さと難しさ。

自分の能力を生かして、社会のためになる仕組みを作り上げていくのは、まさにビジネスパーソンとしての醍醐味ですね。
 
(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



Anthro Vision

ジリアン・テット
日経BP 日本経済新聞出版本部

ミャンマー金融道

泉賢一
河出書房新社

虚構の森

田中淳夫
新泉社

5000日後の世界

ケヴィン・ケリー
PHP研究所

ラジオ報道の現場から声を上げる、声を届ける

澤田大樹
亜紀書房

インド残酷物語

池亀彩
集英社

いいかげんなロボット

鈴森康一
化学同人

ヘルシンキ 生活の練習

朴沙羅
筑摩書房

肉食の終わり

ジェイシー・リース
原書房

名スピーチで反訳トレーニング

伊藤サム
NHK出版

南極の氷に何が起きているか

杉山慎
中央公論新社

冤罪をほどく

中日新聞編集局、秦融
風媒社