六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2022年12月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

何もしないほうが得な日本私の半分はどこから来たのか』など、新着本からお薦め書籍をご紹介します。 




『何もしないほうが得な日本』。
これはまさに、誰もが気づいていて、敢えて口にすることもなかった近頃の日本の姿でしょう。

世の中が全体的に良くなっていくことが想像できない社会では、目立たず、いつもと同じことをしているほうが、結局トクになるのではないか、と思えてしまいます。
これは、「変化しなければ潰れてしまう」という危機感の真逆にあるもの。

個人的には、「10年経ったら誰でも転職」法を作り、風通しのよい社会に変えていくしかないとまで思っていますが、アンケートに見られる日本人の「やる気のなさ」は相当なものです。


「自分のアイデンティティの半分がふわふわ宙に浮いている気持ちになった。」

AID(非配偶者間人工授精)によって自分が生まれたと大きくなってから知った人たちは、異口同音にそう語るそうです。「私の生物学上の父は誰なのか ?」

育てられた親に対して「感謝の気持ちはまったくない」とまで言い切る事態にならないように、幼い頃から事実を伝え、「出自を知る権利」を行使できるようなシステムを作る医師や地方自治体。

逆に、「匿名を約束されてドナー(精子提供者)になったのに、ある日突然、生まれた子どもから連絡があっていいのか?」と言う世界最大の精子バンクの創業者。

手軽にDNA鑑定ができ、テクノロジーが想像を超えて進展する世の中で、インクルーシブな家族や倫理はどうなっていくのか。過渡期の今を捉えます。
 
(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



何もしないほうが得な日本

太田肇
PHP研究所

私の半分はどこから来たのか

大野和基
朝日新聞出版

ボーダー

佐々涼子
集英社インターナショナル

Hマートで泣きながら

ミシェル・ザウナー
集英社クリエイティブ

体はゆく

伊藤亜紗
文藝春秋

宇宙の終わりに何が起こるのか

ケイティ・マック
講談社

華語文学の新しい風

王徳威、高嘉謙
白水社

オスとは何で、メスとは何か?

諸橋憲一郎
NHK出版

年収443万円

小林美希
講談社

わたしのペンは鳥の翼

アフガニスタンの女性作家たち
小学館

バブルの王様

森功
小学館

超速・英語脳のつくりかた

葵崎晶莉
大学教育出版