六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2021年9月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

『Humankind-希望の歴史』ルトガー・ブレグマン(著)、『アルゴリズムの時代』ハンナ・フライ(著)など、新着本からお薦め書籍をご紹介します。




第二次世界大戦下、敗北し続けるドイツ軍兵士たちは、なぜ投降しなかったのか?
彼らは勝てると信じていたわけではなかった。
ナチズムを信奉していたわけでもなかった。
ただ、彼ら同士、味方兵士たちの友情のために、負けを認めるわけにはいかなかったのだ。

ある意味ではそのような「友情」が、史上最悪の虐殺を引き起こしたように、実は、人の本性は善。
であるからこそ、様々な問題も起きる、と斬新な視点で人間と社会を見つめる著者、ブレグマン。

前著『隷属なき道』も画期的でしたが、この本の考え方も凄い。
副題にある、「人類が善き未来をつくるため」に、人の本質は善と思いながら生活する方が、楽しいのは確かですね。

ネットで本を買えば、次に買うべき面白そうな本を薦めてくれる。
車を運転する時には、前もってナビで到着予想時刻をチェックする。

そのように、意識していても、いなくても、私たちの日常生活に欠かせないものとなっている"アルゴリズム"。

人間らしさを表すものとされてきた芸術分野でさえ、大きな存在になっているアルゴリズムの影響を、私たちはどれだけ理解しているのか?

あたり前になっているからこそ、見過ごされていることの多さを指摘する本書の読後感は、なぜか爽やかなものでした。
 

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



Humankind希望の歴史 〈上〉

ルトガー・ブレグマン
文藝春秋

アルゴリズムの時代

ハンナ・フライ
文藝春秋

ハーベン

ハーベン・ギルマ
明石書店

世間体国家・日本

犬飼裕一
光文社

アップルカー

日本経済新聞、日経クロステック合同取材班
日経BP

LISTEN

K.マーフィ
日経BP

ナラティブ経済学

ロバート・シラー
東洋経済新報社

私がホームレスだったころ

リー・ウェンシュエン
白水社

〈尊厳〉のリーダーシップ

ドナ・ヒックス
晶文社

夢中になれる小児病棟

松本惠里
英治出版

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

川内有緒
集英社インターナショナル

9割の買い物は不要である

橋本之克
秀和システム