六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2021年4月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

『安いニッポン「価格」が示す停滞』中藤玲(著)など、新着本からお薦め書籍をご紹介します。





冒頭に示されるのは、世界各国のディスニーランドの入園料。
日本・東京の8,200円に対して、米・フロリダは14,500円。
米・カリフォルニア、仏・パリ、中国・上海も10,000円を超えています。
ー 全く同じ施設ではないにしろ、海外の人はそのくらい払っているのですね。

当然、日本の ディスニーランドを訪れた外国人は、"日本は安い ! "と喜びます。
が、地元民である日本人の生活感覚からすれば、 8,200円 / 1人は高額に感じてしまいます。

「家族で来ると、食事なども含めると高過ぎて。
だから家から水筒を持参するなど、節約しています」
という趣旨の日本人客の声が紹介されていました。

昨今はどこの国に行っても、「モノもサービスも日本より高い」と感じてきた、私たち。
また海外に気軽に行けるようになったとしても、そう感じるのは続きそうです。

なぜ、こうなったのか?
内向き・縮み志向が、大胆なイノベーションを生まないようにさせているのか?
それとも、イノベーションが起きないからモノ等の価格が上がらず、人が内向きになるのか?

「上司より高い給与を部下に許さない日本企業の風土」を指摘しつつ、ニワトリが先か、卵が先かの論争を追う本書。

「コロナ下の日本国内で、オンラインで授業を受けた小学生の比率は、調査対象国の最下位」という最近の新聞記事が思い出されました。
現状を変えたくない、変える勇気がない社会が、停滞を生んでいるのでしょうか。

"昔、先進国と呼ばれた日本" になっていくことを、ひしひしと感じるこの頃…

私はこの状況を変えるために何ができるのだろうか? を、どうしても考えてしまいます。
 

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



安いニッポン「価格」が示す停滞

中藤玲
日経BP 日本経済新聞出版本部

クララとお日さま

カズオ・イシグロ
早川書房

専門医が教える新型コロナ・感染症の本当の話

忽那賢志
幻冬舎

「低度」外国人材

安田峰俊
KADOKAWA

BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル全真相

ジョン・キャリールー
集英社

セルフ・デベロップメント・ゴールズ

葛西龍也
双葉社

日本の構造

橘木俊詔
講談社

謎解き鳥獣戯画

芸術新潮編集部
新潮社

図解インド経済大全

佐藤隆広、上野正樹、高口康太
白桃書房

にほんでいきる

毎日新聞取材班
明石書店

中国の何が問題か?

ジェニファ−・ルドルフ、マイケル・ソーニ
藤原書店

まちづくり幻想

木下斉
SBクリエイティブ