六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2020年6月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。





   
 

新型コロナウイルス / COVID-19への対策は、世界各国でかなり異なったものとなりました。
厳しいロックダウンや外出禁止令を出した国、位置情報やクレジットカード使用履歴から感染経路を特定した国、検疫を徹底した国…。様々です。
 
その中で見えてきたのは、日本には行政や教育・医療でのITの活用等、公的機関に非常に遅れている部分があるということ。
 
ポイントとなるのは、行政と民間の連携でしょう。
たとえば、市民やNPO、企業との連携が見られず、スピードにも透明性にも欠けた経済対策には批判が高まっています。
 
米国の民営刑務所に潜入取材した『アメリカン・プリズン』と、福島第一原発の現場について書いた『ふくしま原発作業員日誌』を続けて読むと、官民の連携のあるべき姿について、より深く考えることができます。
 
社会を存在させるために必要なインフラの維持は、誰がどこまで責任を持つべきか?
スピードや効率性を保ちつつ、癒着・腐敗を防ぐための監視をどう実施するのか?
 
刑務所と原発という、あまり実態に興味を持たれない組織には、驚くべき話がたくさんあります。
私たちはこれに目をつぶったままでいいのだろうか。
知ってしまった事実と、どう向き合えばいいのか…。
 
訴える内容は重いけれど、知らないことばかりなので興味深く、面白い。
どんどん読み進めていける二冊です。
 
 

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



アメリカン・プリズン

シェーン・バウアー
東京創元社

ふくしま原発作業員日誌—イチエフの真実、9年間の記録

片山夏子
朝日新聞出版

コスモスいくつもの世界

アン・ドルーヤン
日経ナショナルジオグラフィック社

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画

冨山和彦
文藝春秋

世界一わかりやすいZoomマスター養成講座

奥村絵里
つた書房

ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険

コーリー・スタンパー
左右社

バッティングピッチャー—背番号三桁のエースたち

澤宮優
集英社

災害に強い住宅選び

長嶋修、さくら事務所
日本経済新聞出版

世界は贈与でできている

近内悠太
ニューズピックス

世界でいちばん虚無な場所

ダミアン・ラッド
柏書房

ANKER 爆発的成長を続ける新時代のメーカー

松村太郎
マイナビ出版

ニューヨーク・タイムズが報じた100人の死亡記事

ウィリアム・マクドナルド
河出書房新社