六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2019年8月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。






 
ミステリの女王・アガサ・クリスティの小説は、一見、ストーリーに関係ないように見える話が、実はすべて、重要な謎解きのヒントになっていることから、"無駄がない"と言われてきました。
 
そんな話を思い出したのは、ルシア・ベルリンを読んだ時。
「アメリカ文学界最後の秘密」と言われる、この表紙の人物が書いた短編集、『掃除婦のための手引き書』。
 
波乱に満ちた人生を送った彼女が選ぶ言葉のひとつひとつは、すべて直截的。
無駄がなく、強い。それなのに細やかな感情を、私たちの胸に残します。
 
きっとそれは彼女が、どんなに辛い状況でも常にモノを考える、思考停止しなかった人だったからではないでしょうか。


 

 

 
 
 
公立高校の山岳部員とその顧問教諭、計8名が亡くなった雪崩事故。
 
この事件を「雪崩注意報が出されていたにもかかわらず、雪崩の起きそうな斜面に生徒を誘導した、起きるべくして起きた雪崩事故だった。」という著者が示すのは、組織の圧力、思考停止する個人、コミュニケーションの不在。
 
事故というより人災、殺人の色の濃い記録を読んでいると、過去に『失敗の本質』等で明らかにされてきた教訓が生かされていないことに、深い悲しみを抱かずにいられません。
 

 
 

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



掃除婦のための手引き書

ルシア・ベルリン : 岸本佐知子
講談社

那須雪崩事故の真相

阿部幹雄
山と渓谷社

アマゾンで学んだ!伝え方はストーリーが9割

小西みさを
宝島社

僕らはそれに抵抗できない

アダム・オルター : 上原裕美子
ダイヤモンド社

ラディカルズ

ジェイミー・バートレット : 中村雅子
双葉社

「暗号貨幣(クリプトキャッシュ)」が世界を変える!

中村宇利
集英社

上級国民/下級国民

橘玲
小学館

わたしは哺乳類です—母乳から知能まで、進化の鍵はなにか

リアム・ドリュー : 梅田智世
合同出版

求むマエストロ。瓦礫の国の少女より - イラク・ナショナル・ユース・オーケストラの冒険

ポール・マカランダン : 藤井留美
アルテスパブリッシング

資本主義はどこに向かうのか—資本主義と人間の未来

堀内勉 : 小泉英明
日本評論社

三体

劉慈欣
早川書房

日本のグローバル化は“日本語”からはじめなさい

トンクス・バジル
プレジデント社